日本の文化を理解するためのキーワードには「わび・さび」と「かわいい」がある。前者は伝統的なものであるのに対して、後者は現代のもの、前者は静かで質素であるのに対して、後者は俗っぽい。「かわいい」は独特の美意識で、日本文化の特徴として世界に発信されている。(文:李長声。在日華字紙・中文導報掲載)
【特徴】日本文化を理解するためのキーワードは「かわいい」
「かわいい」という言葉は奥が深く、制服やロリータファッション、ブラックロリータ、メイドなどに限らず、文化の一種として女性に影響を与え、普段の思考や行動まで支配している。外見はもちろんのこと、男性にとっては、女性の性格もかわいいことを求めるのではないだろうか。日本の電車には女性専用車両があり、異性の目がないとなると、女性は自由奔放になり、車内での振る舞いがガラッと変わってしまうと言われている。
「かわいい」の対象はもともと、小さくて、おとなしいものだ。清少納言の随筆「枕草子」に、「なにもなにも ちひさきものはみなうつくし」という言葉がある。小さいものに対する美意識は、中国にも古代からあり、かわいいものには「小」を頭に付けて呼ぶ。日本のかわいい文化が世界にも進出しているのは、どこの国の人にも小さいものをかわいがる気持ちがあるからだろう。
比較文学者、映画史家の四方田犬彦には、「かわいい」論があり、「かわいい文化は現代サブカルチャーに限定されたものではい。『かわいい』の源流は11世紀の『枕草子』にあり、江戸期の歌舞伎や大衆小説を経て、太宰治ら現代の作家にも受け継がれ、独自の美学へと洗練されてきた。そして、20世紀後半の消費社会において、一大産業と発展した。しかし、その根底を成している美学は近代文学においてはっきりとした痕跡を残している」と指摘している。美意識の源流は文学の中に見ることができるが、かわいい文化は結局サブカルチャーだ。
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