大連の社区が奇策、コロナ“陽性”の申告者に報奨金2000元!
大連市の封鎖管理
大連市は9月3日、当初8月29日から9月3日24時までに設定していた市民の移動規制を含む管理コントロールを、10日24時(11日0時)まで延長すると発表した。
この期間、市民は不要不急の用件で外出することが厳しく制限され、バスや地下鉄は運行停止、市内の映画館や入浴施設、マッサージ店などの公共施設も一時的に閉鎖される。小中学校も児童の登校を禁止し、オンライン授業が実施される。
陽性の自主申告で報奨金!?
同市が防疫対策を強化するなかで、市中心部の中山区の一社区がとった措置がネットで話題になっている。社区の住民が抗原検査の試薬による検査で陽性だった場合、自己申告を行えば2,000人民元(約4万1000円)の報奨金が支給されるという。
消息筋によると、この奇策を講じたのは中山区葵英街に所在する社区で、陽性となった場合に申告をためらう市民がいることを想定したゆえの措置だと見られている。ネットには自発的な防疫対策への参加を促すことを目的として、一考に値する方法だと理解を示す意見もある。
しかし、効果を訝る声も目立つ。「嘘の陽性申告が蔓延するのではないか」「報奨金欲しさに意図をねじまげる輩(自ら感染しようとする人)もいるのでは」といった具合だ。そのほか、「2000元の財源は?誰が支払う?」と疑問を呈するネットユーザーもいた。
果たして効果は?
新型コロナの予防・抑制を目的とした“アメ”の政策は、これまでにも各地で打ち出されてきた。当公衆号でも🔗「【話題】ワクチン接種でiPhoneが当たる!? 過熱するキャンペーン」や🔗「PCR検査をめぐる“アメとムチ”、かたや違反で拘留、かたや奨励金」といった記事で取り上げたことがある。しかし、コロナに感染したことを自己申告して報奨金が得られるという制度は今回が初めてのケースといえそうだ。
なお、9月6日0時から24時までに大連で確認された新型コロナウイルス肺炎の確定症例は2例、無症状感染者は76例と減少傾向を示している(重点区域の検査から8例、集中隔離管理コントロール人員の検査から70例)。流行しているBA5.2.1変異株の潜伏期が一定しないため楽観は許されないが、同市衛生健康委員会は人流抑制措置が功を奏しているとの見方を明らかにしている。