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WHOが声明、「サル痘」改め新名称「mPox」に変更
▶移行期間として1年間
世界保健機関(WHO)は11月28日、「サル痘(monkeypox)」の名称は感染者に汚名を着せて非難したり、差別したりする事態につながる可能性があるとして、事態回避のために「mpox」を新名称として採用すると発表した。
45の国と地域から代表者が参加して行われた協議にもとづく声明では、今後1年間は旧名称と新名称の双方が同時に使用されるものの、旧名称は段階的に廃止されていくという。1年間の移行期間を設けたのは疫病流行時に名称変更で生じる混乱を軽減する一方、国際疾病分類やWHOによる出版物の内容を更新する際に猶予の時間を与えるためだとしている。
▶サルとは無関係
名称変更の背景には、個人レベル、国レベルで「サル痘」の名称に対する懸念の声が、WHOに対して名称変更を提案する動きにつながったことがある。今年、一部の国・地域でmPoxが発生すると、インターネット上や一部コミュニティで人種差別や感染者を汚名化する発言が現れていた。
さらに、サルがこの種のウイルスを保有しているわけではなく、「サル痘」の名称は誤解を招くものだという批判的な意見も強かった。
なお、WHOの資料によると、11月26日現在、110の国と地域でmPoxに感染した人は合計8万1,107例が確認されている。そのほか、1,526例の疑い例があり、55例の死亡例が報告されている。