浙江省寧波市を代表する商圏、天一広場(解放南路158号)に登場した書店がいまネットで脚光を浴びている。その名は「熊沢書店」。その外観やインテリア、ロゴに至るまで既視感を覚える人は少なくない。そう、あの“蔦屋書店”を彷彿させる雰囲気を漂わせているのだ。
▶寧波の新ランドマーク?
同書店は12月17日に開業した。店舗総面積は5,000㎡を擁し、若者世代のための創造的空間をコンセプトとして、さまざまな業態を複合させた設計を体現させている。しかし、「日本の人気書店・熊沢書店/KUMAZAWA BOOKSが寧波の天一広場に第1号店」という触れ込みが物議を醸すまでには時間はかからなかった。
▶くまざわ書店が声明
厳密に言えば、“熊沢書店”のロゴは“パクリ元”とみなされている蔦屋書店のそれと瓜2つというわけではない。むしろ、日本に「くまざわ書店」という書店ブランドがあり、これが紛らわしさに輪をかけることとなり、“パクリ疑惑”に輪をかけることとなった。
くまざわ書店は創業1890年、会社設立1952年、日本全国229店舗のネットワークを有する業界3位の書店チェーンだ。同社は12月27日にホームページで、寧波市に開業した熊沢書店とは一切関係がないとする声明を発表。資本や提携関係は一切ないと否定した。
一方、寧波の熊沢書店は29日に公式見解として、日本のくまざわ書店と連絡を取り合い、協議を行っていることを紹介。妥当な処置が明らかになった時点で経過を明らかにするとした立場をとっている。
▶“脱日本”のトレンドの中で
折しも中国は国潮ブームだ。“日本風”のネーミングを打ち出すことでブランドの発展期を邁進した「元気森林」や「奈雪の茶」、「名創」等も、いまやロゴの変更を手始めに“脱・日本色”へと動き出している。
こうした中で登場した「熊沢書店」。決して日本を出自とする(あるいは日本と縁がある)ブランドだと自らアピールしているわけではない。しかし、デザインや名称があまりにも“日本的”だった。果たしてどんな落とし所を狙っているのか、今後の動向に目が離せない。(耕雲)