コロナ抜け毛で悩む人30％? 春節に猛威か?
新型コロナ周りの用語を武侠小説や歴史人物に例えたものがある。陽性が確認されれば「楊過(*1)」、回復すれば「楊康(*2)」、再び陽性がぶり返せば「王重陽（*3）」といった具合だ。楊と陽はともに中国語で「yáng 」と読む。すなわち「阳过（yáng guò）」「阳康(yáng kāng)」「复阳（fù yáng）」に掛けた中国人ならではの言葉遊びというわけだ。
ただ、せっかく「阳康」になっても、こうしたジョークを口にする心の余裕さえない人も少なくないことだろう。何を隠そう、30％もの人が“抜け毛”という併発症に悩んでいるのだという。
▶「陽康」後に30％が抜け毛
新型コロナから回復しても「咳」が止まらず不眠に悩んだり、あるいは「🔗ブレインフォグ」と呼ばれる頭脳活動の停滞を招くケースは少なくない。このほかにも、新型コロナの併発症としてよく挙げられるのが“抜け毛”だ。なんと新型コロナにかかった人の30％が抜け毛、脱毛症のリスクにさらされているという。
ちなみに、“おつむ”の薄さに悩むネットユーザーにとっては“弱り目にたたり目”ともいうべき切実な問題だけに、この話題はたちまちSNSでホットワードの上位にランクされることになった。
▶1日100本を超える抜け毛
通常、1日に喪失する髪の毛の本数が100本程度なら正常な範囲だとされる。しかし、新型コロナにかかった人で、このレベルに収まらない量の抜け毛を経験しているケースは少なくなさそうだ。
杭州市第三人民病院脱毛専科主任の戴葉芹医師は、抜け毛・脱毛は新型コロナ感染後に生じる併発症の一つであり、髪の毛嚢がウイルスによる炎症反応を示す一方、発熱や感染後の心理的な不安など幾多の原因と相まって休止期脱毛を引き起こす可能性があると説明している。
▶2～3か月で回復へ
新型コロナに感染すれば当然、身体の機能は低下する。髪の毛も通常より早く抜け落ち、いうなれば休止期に入る髪の毛が増える。「陽康」となっても、31.3％の人にこの休止性脱毛が現れており、1日の間に抜ける髪の毛は100本以上に及ぶ。さらに、そんな経験をする人の73％は女性が占めているという。
感染症の症状が重いほど栄養の流出は激しく、脱毛も顕著になる。戴医師(前出)によると、抜け毛のピークは「陽康」後45日から60日ぐらいの間にやって来るという。
もっとも、過度な心配は不要といえそうだ。休止期脱毛は多くの場合、誘引が取り除かれた後に毛根が正常な状態になることで徐々に見られなくなり、特別な処置を施さなくても2～3か月経てば抜け毛が止まるという。
▶タンパク補給にも留意
この休止期脱毛が長く後遺症として残ることはないのだろうか？清華大学附属北京清華長庚病院・皮膚科副主任の段暁涵医師によると、そもそも後遺症の大部分は症状の持続性があるかどうかにかかっているとする。したがって、不可逆的なものでなければ後遺症と呼ぶことはないというのが同医師の見解だ。毛髪部分が新型コロナで永久脱毛を引き起こすことはないと現時点では考えられており、厳密には後遺症と定義されることはないという。
とはいえ、健康管理を怠らないように留意することは重要であり、肉類の摂取など、たんぱく質の補給を心がけるように段医師は注意を促している。とくに牛肉には鉄分が豊富に含まれており、摂取を勧めたい食材だという。
ともあれ、陰性に転じて回復期に入っても油断は禁物。栄養バランスを確保し、無理することなく十分な休息をとり、睡眠時間もしっかり確保すること。そして何よりもメンタルの面でも健康に保つことが重要といえそうだ。
最爱大北京 2023-01-09 07:00
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