香港に持ち込んでいけない物品＆中国本土に持ち出していけない物品
3年の歳月を経て、香港と中国本土との間で正常往来が回復した。出入境の際に注意が必要なのは、携帯物品が持ち込み（持ち出し）可能かどうか把握しておくことだ。免税措置に数量制限が設けられている場合や、許可申請が必要なものもある。「香港通」の記事から規定概要を紹介する。
■香港から中国本土へ
◆「医薬品」には衛生署発行の許可証が必要
香港や中国本土でコロナ禍が継続していることを受け、薬品類の買い占め現象が生じている。不時の必要に備えて「心理痛」等の解熱剤を買い求めるニーズは多い。ただ、規制対象である薬品の持ち込みや持ち出しは、出入境時に衛生署が発行した許可証の提示が必要であり、さもなければ検出と制御の対象になり、関連する物品が押収される可能性があると税関は強調する。
旅行者が合理的に自ら使用するために手荷物として持ち込む場合は、許可証の取得が免除される。もし危険な薬物、抗生物質または第一類毒物に分類された薬物に関連する物だった場合は、香港の法規法令が適用され規制を受ける。医療従事者による処方を受けた場合にのみ携帯が可能になる。
出入境において違反が見られた場合は、違反者に最高で500万香港ドルの罰金および無期禁錮の刑罰が科せられる。一般的な薬としては、「心理痛」などの鎮痛剤、抗生物質、媚薬、エスゾピクロン（ショラスチン）、ゾピクロン（ホワイトメロン）などがある。
◆酒類は750ml、たばこは200本が上限
中国本土の税関では、香港・マカオ地区から入境した旅客が免税で持ち込めるたばこは200本（1カートン）、または葉巻50本となっており、刻みたばこは250グラムの上限が設定されている。酒類は、12度以上のアルコール飲料1本（750ml未満）までが免税扱いとなる。また、免税商品の総額は1人あたり8,000元（国外5,000元未満＋免税店3,000元以上）を超えないものとされている。
◆高麗人参、フカヒレ、魚膠などのギフトは不可
アメリカ人参、高麗人参、フカヒレ、魚膠といった高価な強壮剤の類は持ち出しはできない。絶滅危惧種の動植物を携帯して出入境する場合は、事前に農業漁業保全署（渔护署）が発行する許可証の取得が必要になる。違反があった場合は、最高で1,000万香港ドルの罰金と10年の禁固刑が科せられる。
（例）
●一般的な植物またはその派生物：蘭、アメリカ人参、ジンコウ（沈香）、てんま（天麻）、せっこく（セッコク、デンドロビウム）など。
●一般的な動物種またはその派生物：タツノオトシゴ、石サンゴの骨格、ミスジハコガメ、サイの角、象牙、センザンコウの鱗など。
◆乳児用粉ミルクは免税許可申請が必要
生後36か月以下の乳幼児用の食用配合パウダー（粉ミルクや豆乳を含む）を香港から持ち出す場合、輸出許可証または免税ライセンスを取得していなければ、いずれも違法になる。16歳以上の旅客がもし過去24時間以内に出境していなければ免税ライセンスを取得することができ、1人あたり1.8kgの配合パウダー（正味重量で缶2本分程度の量）の持ち込みができる。
◆現金：20,000元以上は申告
中国本土との出入境では、毎回、2万人民元または5,000米ドル相当の額を超える金額を携帯することはできない。もし同じ日に2回以上出境する場合は、さらに500米ドルを超えない金額が上限になる。もし15日間に出入境の回数が1回を超えていた場合は、1,000米ドルを超えた金額が携帯が禁じられる。限度額を超える場合は税関に申告が必要で、かつ銀行、外貨管理部門が発行する「外貨持ち出し許可証（携带外币出境许可证）」を提出しなければならず、さもなければ没収され罰金を科される可能性がある。
■中国本土から香港行政特区へ
香港税関の要求にもとづき、18歳以上の旅行者には免税で（香港に）持ち込めるたばこ製品の数量が定められている。旅客本人が使用するという前提のもと、たばこ19本、または葉巻1本の持ち込みが許可されており、葉巻1本の重量は25グラムを超えてはならない。その他たばこの草であっても25グラムがリミットになる。
その他の喫煙に使う器具や付属品を旅客が持ち込むことについては、たとえば加熱式スティック、電子たばこ用オイル、ハーブタバコのように、当該用具を使ってエアロゾルを発生させるものはすべて違法になる。
そのほか食品については野生動植物料理、肉類、家禽、たまごについては証明が必要で、12万香港ドルを超える現金の持ち込みについては申告が必要になる。
香港通 2023-01-13 19:00
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