古畑徹 編《高句麗・渤海史の射程》出版
古畑徹 編
出版社: 汲古书院
副标题: 古代東北アジア史研究の新動向
出版年: 2022-2-10
页数: 270
定价: 7,700円
装帧: 精装
ISBN: 9784762967078
本論集『高句麗・渤海史の射程—古代東北アジア史研究の新動向—』は、本来、日本学術振興会の二国間交流事業(セミナー)として、2020年3月14・15日に、金沢にて開催予定であった「高句麗・渤海史に関する日中研究者会議」(以下、「日中研究者会議」と略す)の報告集として出版を予定していたものである。この国際会議は、残念ながら新型コロナウィルス感染症(Covid-19)の拡大によって一旦延期、その後、中止となり、中国側の報告論稿も届かなかった。そのため、報告集の出版は一旦宙に浮くこととなったが、編者の手元には日本側報告者の論稿が残り、これをどうするかが問題となった。個々の報告者に戻す方法もあったが、それでバラバラに公表しても、学界に対するインパクトは小さく、会議で目指したものとは程遠くなるように思われた。そこで日本側メンバーと相談し、報告予定論文に、本会議の開催に関係して報告・執筆された編者及びメンバーの諸論稿を追加し、日本の高句麗・渤海史研究の現状とそれが目指す方向性、およびその豊かな可能性を示して、停滞感のある高句麗・渤海史研究に新風を吹き込むことを意図した論文集に編集し直すこととした。こうして誕生したのが、本論集である。
目 次
序 言(古畑 徹)
第1部 考古学からのアプローチ
考古学からみた渤海とその周辺(中澤 寛将)
渤海瓦塼研究の諸問題―なぜ、考古学者は瓦を研究するのか―(中村亜希子)
第2部 文献史学の新展開
高句麗王系成立考―整備過程と美川王(井上直樹)
高句麗遺民墓誌研究の動向と争点(植田喜兵成智)
日本の渤海史研究の現状について――文献史学を中心に――(古畑 徹)
唐代契丹の反乱と河北海運使の成立(村井恭子)
第3部 近現代史とのつながり/史学史と書誌学からの接近
韓国国立中央図書館所蔵講演録からみた稲葉君山の満鮮史観と高句麗(井上直樹)
『満蒙叢書』から『遼海叢書』へ――内藤湖南と金毓黻との「対話」――(渡辺健哉)
日本国内所蔵金毓黻著『渤海国志長編要刪』調査報告(古畑 徹)
附論:東(部)ユーラシア史という考え方――近年の日本における古代東アジア史研究の新動向――(古畑 徹)
あとがき(古畑 徹)
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