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新书:関 智英《対日協力者の政治構想:日中戦争とその前後》


作者::関 智英

出版社:名古屋大学出版会

出版时间:2019年10月7日

価格:7,200円    

判型:A5判・上製    

ページ数: 616頁    

ISBNコード    978-4-8158-0963-8    

Cコード    C3022    

内容简介

日中戦争には、抗日と同時に、占領地における協力の側面もあった。しかし多様な協力者たちは戦後、漢奸として糾弾され、その歴史も未完の政治構想とともに葬り去られた。本書はこの影の側面に光を当て、戦争の全体像に迫るとともに、占領から始まった戦後日本に鋭い眼差しを投げかける。

目 次

 凡 例
 地 図

緒 論
     1 中国人亡命者夏文運の回想 —— はじめに
     2 近代日中関係と日中戦争
     3 19世紀末から20世紀前半にかけての中国
     4 占領地政権の変遷
     5 先行研究整理 —— 「漢奸」評価の影響とその相対化
     6 課題の設定と分析の方法
     7 本書の構成

  第Ⅰ部 様々な政治構想
       —— 日中戦争勃発前後

第1章 「冀東」の構想
      —— 殷汝耕と池宗墨をめぐって
     1 ある未亡人の帰国 —— はじめに
     2 冀東政府と日本
     3 殷汝耕・池宗墨の経歴
     4 「民心の趨向」を重視 —— 冀東政府成立以前の殷汝耕の議論
     5 冀東政府長官として —— 冀東政府成立後の殷汝耕の議論
     6 教育者・実業家として —— 冀東政府参加以前の池宗墨の議論
     7 冀東政府の理論的支柱 —— 冀東政府以後の池宗墨の議論
     8 「防共」と「聯省自治」
     9 殷汝耕・池宗墨に対する議論
     10 小 結

第2章 張鳴の「五族解放」「大漢国」論
     1 嘉治隆一の台湾紀行 —— はじめに
     2 日中戦争勃発以前の張鳴
     3 日中開戦前後の張鳴の主張
     4 小 結

第3章 呉佩孚擁立工作と日支民族会議
     1 陳舜臣と司馬遼太郎 —— はじめに
     2 盧溝橋事件の勃発と維持会の成立
     3 呉佩孚とその周辺
     4 3つの自治団体
     5 正大社
     6 日支民族会議
     7 小 結

第4章 上海市大道政府と西村展蔵の大道思想
     1 ネズミ講騒動と天下一家 —— はじめに
     2 宗教家西村展蔵
     3 上海市大道政府
     4 政府関係者の経歴と思想
     5 大道政府に対する反応
     6 大道政府の終焉
     7 小 結

  第Ⅱ部 現実的な選択へ
       —— 日中戦争下の占領地政権

第5章 中華民国維新政府指導層の時局観
     1 ある中国人亡命者の検挙 —— はじめに
     2 維新政府とその要人
     3 維新政府の議論
     4 小 結

第6章 袁殊と興亜建国運動
      —— 汪精衛政権成立前後の占領地の動向
     1 児玉誉士夫の日記 —— はじめに
     2 袁殊と岩井英一
     3 興建運動の人と組織
     4 『興建』と袁殊の主張
     5 その他のメンバーの主張
     6 興建運動に対する反応
     7 汪政権成立後の興建運動
     8 小 結

第7章 占領地と憲政
      —— 汪精衛政権の憲政実施構想
     1 火野葦平の記念写真 —— はじめに
     2 日中戦争前の憲政実施をめぐる動き
     3 占領地における憲政の議論
     4 汪政権成立と憲政実施
     5 憲政実施委員会での議論
     6 小 結

第8章 忘れられた革命家伍澄宇と日中戦争
     1 トップ女優阮玲玉の顧問辯護士 —— はじめに
     2 アメリカでの活動
     3 辛亥革命後の活動
     4 帰国後の活動 —— 政界から法曹界へ
     5 日中戦争期の活動 —— 占領地での言論活動
     6 小 結

  第Ⅲ部 日本敗北の中で
       —— 日米開戦から戦後へ

第9章 日中道義問答
      —— 日米開戦後の占領地中国知識人
     1 45年ぶりの再会 —— はじめに
     2 高山岩男論文の要旨
     3 中国知識人の反論
     4 議論の収束
     5 小 結

第10章 日中戦争末期の〝中国人の代辯者〟吉田東祐
     1 「張三李四俗人たち」への眼差し —— はじめに
     2 上海に渡るまで
     3 上海での生活
     4 対重慶和平工作への関与 —— 姜豪工作
     5 上海での活動
     6 『申報』を中心とした言論活動
     7 小 結 —— 戦後の動き

第11章 戦前戦後を越える思想
      —— 政論家としての胡蘭成
     1 「色・戒」—— はじめに
     2 胡蘭成について
     3 中国での議論
     4 日本亡命後の議論
     5 小 結

第12章 中国人対日協力者の戦後と日本
      —— 善隣友誼会設立への道
     1 「亡命天国ニッポン」—— はじめに
     2 亡命のパターン
     3 日本の国際社会復帰と亡命者問題
     4 旧軍人の請願と実態調査
     5 亜東工商協会の請願
     6 善隣友誼会とその活動
     7 小 結

結 語
     1 本書の試み
     2 今後の課題 —— より深く広がりを持った日中関係史構築に向けて

 註
 あとがき
 図表一覧
 索 引


作者简介

関 智英(せきともひで),日本学術振興会特別研究員・明治大学兼任講師,主要研究中国近現代史。

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