藤原彰『中国戦線従軍記:歴史家の体験した戦場』出版
作者: 藤原彰
出版社: 岩波書店
出版年: 2019-7-18
页数: 268
装帧: 平装
丛书: 岩波現代文庫·学術
ISBN: 9784006004071
本書簡介
弱冠19歳で陸軍少尉に任官し,敗戦までの4年間,小隊長,中隊長として最前線で指揮をとった著者は,戦後,その経験をベースに戦争史研究を切り拓き,牽引した.著者がその人生を閉じる直前にまとめた本書は,歴史家の透徹した目を通して日本軍のありさまと兵士・将官たちの日常を描き出した「従軍記」であるとともに,優れた兵士論・戦場論にもなっている.
作者簡介
藤原 彰(ふじわら あきら)
1922―2003年.日本近現代史・軍事史.1941年7月陸軍士官学校卒,10月に少尉任官.華北における治安粛正戦,満州における対ソ警備,大陸打通作戦に参加した後,本土決戦のための大隊長として敗戦を迎える.1949年東京大学文学部史学科卒.1969―1986年一橋大学社会学部教授.『昭和史』(共著・岩波新書),『日本軍事史』(上・下,日本評論社),『天皇制と軍隊』(青木書店),『南京の日本軍』(大月書店),『餓死した英霊たち』(ちくま学芸文庫)など.
目錄
はじめに
序節 士官学校へ入るまで
Ⅰ 華北警備の小・中隊長
陸士を出て中国へ
景和鎮の駐屯地
討伐戦と民衆
チフスで死にかかる
劉窩分屯隊長
冀東へ移駐
聯隊旗手の日々
中隊長となる
中隊の軍紀風紀
関東軍へ移る
一号作戦参加命令
Ⅱ 大陸打通作戦黄河を渡る
郾城の戦闘
長台関の悲劇
湘桂作戦はじまる
中隊の単独行動
茶陵西側高地の夜襲
陣地の攻防
黎明攻撃と負傷
野戦病院にて
関舗西側高地の攻撃
茶陵の滞陣
次期作戦の準備
Ⅲ 遂贛作戦遂贛作戦の開始
遂川挺進隊
飛行場から県城へ
贛州から新城へ
Ⅳ 中国戦線から本土決戦師団へ
歩兵学校への転勤命令
決戦師団の大隊長
敗戦を迎える
終節 歴史家をめざす
【付録】
ある現代史家の回想
一 史学科の学生として
二 現代史に取組む
三 『昭和史』のころ
四 軍事史を専門に
五 一橋大学へ
六 現代史を組織する
七 『天皇制と軍隊』について
解 説……………吉田 裕