『近代世界における広義の軍事史:米欧日の教育・交流・政治』出版
著者:布施 将夫 著
出版社:晃洋书房
出版年月日:2020/01/30
ISBN:9784771032828
定価:3,850円
本书简介
日本は、激甚な紛争が起こりうる異種文明間の境界に位置しているため、今後の日本人にとって紛争や戦争はもはや他人事ではない。細分化されてきた従来の研究を「広義の軍事史」研究によって「人文学」のなかで新たに綜合する可能性を拓く。
◎近代の軍事史を幅広く考えればどのような知見が得られるか。
◎アメリカ・ドイツ・日本の陸海軍が19世紀の教育を通じてどう相互交流し、どのような政治的結末をなぜ迎えたのかを解明する。
◎現代社会への影響も視野に入れた今日的意義をもつ意欲作
目录
序 章 軍事史の立場と本書の構成
第Ⅰ部 ドイツ篇
第一章 軍事と鉄道
――普墺戦争までのプロシア陸軍に注目して――
はじめに
第一節 ドイツの軍部と鉄道――鉄道利用に関する二つの相反する評価
第二節 普墺戦争までのドイツの鉄道状況
おわりに
第二章 軍事と鉄道をめぐる思想的伝播
―― 一九世紀後半のドイツから日本へ――
はじめに
第一節 明治期の日本陸軍とドイツの軍制
第二節 明治期日本の軍部と鉄道
おわりに
第三章 アメリカとドイツにおける陸軍将校教育の比較文化史
はじめに
第一節 将校の選抜と任官をめぐって
第二節 中級教育と進級をめぐって
第三節 教育、文化、その帰結
おわりに
第二部 アメリカ篇
第四章 アメリカの太平洋戦略と幕末の日米関係
――外交には何が必要か――
はじめに
第一節 アメリカの太平洋構想
第二節 アメリカ艦隊と幕末の日本
おわりに
第五章 米軍将校エモリー・アプトンと明治初期の日本
――社会と軍隊における近代化の相違――
はじめに
第一節 東日本でのアプトンの観察
第二節 西日本でのアプトンの観察
おわりに
[コラム1] アメリカの鉄道
第六章 一九世紀アメリカ海軍の教育制度
――海軍兵学校の規律重視から海軍大学校の効率重視へ――
はじめに
第一節 一九世紀前半のアナポリスにおける規律維持をめぐって
第二節 一九世紀後半の海軍大学校における効率の評価をめぐって
おわりに
第七章 第一次世界大戦期のアメリカ海軍による対日戦争論
――補給に基づく戦略――
はじめに
第一節 第一次大戦までのオレンジ計画
第二節 第一次大戦期のオレンジ計画
おわりに
[コラム2] アメリカ海軍と日英同盟――海の両面作戦という幻
第三部 二〇世紀の世界政治篇
第八章 二〇世紀の世界における戦争と政治
――ナショナリズム、軍縮条約、賠償政治――
はじめに
第一節 第一次大戦前の国際経済とナショナリズム
第二節 大戦間期の軍縮条約と軍拡
第三節 第二次大戦後の賠償政治
おわりに
[コラム3] アメリカ史における「水責め」――虐待から拷問へ
終 章 現代世界における「広義の軍事史」
――政治への提言をめざして――