东京大学東洋史学研究室教员一览(附历年博、硕士论文)
東洋史
◇教員◇
教授:佐川英治、吉澤誠一郎、六反田豊、黒田明伸、小寺敦、森本一夫、古井龍介
准教授:守川知子、島田竜登、小川道大
助教:三浦雄城
森本一夫教授はムスリム諸社会の社会史、宗教史、文化史に関心を持って研究を進めている。特に、預言者ムハンマドの一族とされ、「サイイド」「シャリーフ」などと呼ばれる人々が各地のムスリム社会でどのような地位を占め、どのような役割を果たしてきたかという問題の解明をライフワークとしている。このテーマに関する業績としては、Sayyids and Sharifs in Muslim Societies: The Living Links to the Prophet, London and New York: Routledge, 2012(編著)、『聖なる家族 ―ムハンマド一族―』(山川出版社、2010年)、「サイイド・系譜学者・ナキーブ ―10世紀後半から15世紀前半におけるサイイド/シャリーフ系譜文献の研究―」(東京大学博士論文、2004年)などがある。また、ペルシア語の歴史的な意義と役割に着目し、「ペルシア語文化圏」という概念を批判的に検討した編著として『ペルシア語が結んだ世界 ―もうひとつのユーラシア史―』(北海道大学出版会、2009年)がある。ペルシア語文献の翻訳も行っており、タバータバーイー著『シーア派の自画像 ―歴史・思想・教義―』(慶応義塾大学出版会、2007年)と「ナースィレ・フスラウ著『旅行記 (Safarnāmah)』訳註 (I)(II)(III)(IV)」(『史朋』35、2003年)(『史朋』36、2003年)(『史朋』37、2004年)(『史朋』38、2005年)(監訳)を刊行している。
守川知子准教授は、西アジア史を担当している。特に、社会史や文化史を専門とし、シーア派諸聖地への巡礼や、西アジアでの「学知」の史的展開、文化交流などを主たる研究対象としている。最近では、近世期の改宗者やムスリムの仏教認識の研究を進めている。主著に、『シーア派聖地参詣の研究』(京都大学学術出版会、2007年)、編著に『移動と交流の近世アジア史』(北海道大学出版会、2016年)があり、このほか『ノウルーズの書』(京都大学人文科学研究所、2011年)や『被造物の驚異と万物の珍奇』(『イスラーム世界研究』、2009年より継続中)などの原典翻訳にも力を入れている。
古井龍介教授は南アジア古代・中世初期史を専門とする。東インド、特にベンガルを主な対象地域として、5-13世紀の南アジア農村社会の歴史変化を、農業拡大および国家形成の進行と、各々異なる経済的・文化的基盤を持つ諸社会集団間の交渉と権力関係の展開との関連から捉えるべく研究している。主な史料としてはサンスクリット等で書かれた諸文献と碑文を用いているが、後者についてはインドおよびバングラデシュ各地の遺跡・博物館において現地調査を行い、未公表碑文の校訂および既発表碑文の再校訂と、その成果の公表を進めている。主著に、Land and Society in Early South Asia: Eastern India 400-1250 AD (London and New York: Routledge, 2020)がある。
小川道大准教授は、南アジア近世・近現代史を専門としている。インド西部(現在のマハーラーシュトラ州)を対象に、18世紀後半から19世紀前半にかけてインドが植民地化する中で、都市・農村の社会経済が経験した実態的な変化を、地税を中心とした税制に注目して研究している。研究手法として、マハーラーシュトラ州立公文書館に収蔵されているインド西部の現地語(マラーティー語)の未公刊史料、同言語の公刊史料、インドの州立・国立公文書館および大英図書館に収められた18-19世紀の英語史料を組み合わせて分析を行っている。植民地化前後の多言語史料の分析により、インド史学の課題の一つである、植民地期の英語史料による研究と前植民地期の諸言語史料による研究との間に存在する分断をつなぎ合わせ、長期の歴史変動の中にインドの植民地化を位置づけることを目指している。主著に『帝国後のインド 近世的発展のなかの植民地化』(名古屋大学出版会、2019年)がある。
島田竜登准教授は東南アジア史・南アジア史を担当している。専門は16世紀以降の海域アジアにおける貿易史、都市史、東インド会社史である。そのほかに、アジア経済史、南・東南アジアのイスラーム史、異文化交流史、グローバル・ヒストリーなどにも関心がある。近年では、バタヴィア(ジャカルタ)都市史や17~18世紀のタイ国際関係史などを研究している。ライデン大学に提出した博士論文をもとに出版したRyuto Shimada, The Intra-Asian Trade in Japanese Copper by the Dutch East India Company during the Eighteenth Century, Leiden and Boston: Brill Academic Publishers, 2006をはじめ、数多くの英語・日本語による著作がある。多数の海外研究者と交流があり、研究活動をグローバルかつローカルな視点から共同で進めている。なお、内外の一流研究者を招き、セミナーや国際ワークショップ等を開催することで、学部学生・院生がじかに接する機会を提供している。また、2012年度以来、課外授業として初級オランダ語ないしはオランダ東インド会社史料講読を開いている。
黒田明伸教授は下記のような問題関心から中国を中心題材にして社会科学の基礎概念の見直しをめざしている。貨幣の本質は、貨幣そのものにあるのではなく、貨幣を使用する人々の循環的なつながり、すなわち回路にこそある。そのつながりには、匿名的に流通する通貨を介する場合と、貨幣単位で記帳しながら指名的な債権債務をつらねた信用の連鎖の場合とがあるが、弾力性に富むが滞留しやすい前者と確定的だが伸縮性に欠ける後者は補完的に働いている。その組み合わせのあり方の世界史大の比較を、国際的かつ学際的な協同により行っている。著書『貨幣システムの世界史 ―〈非対称性〉をよむ― 増補新版』(岩波書店、2014年)、『中華帝国の構造と世界経済』(名古屋大学出版会、1994年)、主要論考"Anonymous Currencies or Named Debts?: Comparison of Currencies, Local Credits and Units of Account between China, Japan and England in the Pre-industrial Era," Socio Economic Review, Vol.11, Issue 1, Oxford UP, 2013, pp.57-80, "The Eurasian Silver Century, 1276-1359: Commensurability and Multiplicity," Journal of Global History, Vol.4, Issue 02, Cambridge UP, 2009, pp.245-269, "What is the Complementarity among Monies? An Introductory Note," Financial History Review, Vol.15, Issue 01, Cambridge UP, 2008, pp.7-15.
小寺敦教授は、中国古代史を担当している。いわゆる「周代宗法制」と称されるような、先秦時代における血縁集団のあり方や、そうしたあり方についての情報が記載された資料の性格について研究を進めてきた。最近では、血縁集団に関連する思想の展開が、戦国時代における文献の発生・成立状況といかに関わってくるかということを考察している。そして、その文献成立と密接な繋がりをもつ、中国先秦秦漢時代の出土資料、特に戦国時代の竹簡を中心とする簡牘資料に関する基礎的検討を進めている。また、その出土資料研究との絡みで、歴史学以外のフィールドの研究者と共同で研究論集を出版したり、中国大陸で現地調査を行ったりもしている。主な論考に、『先秦家族関係史料の新研究』(東京大学東洋文化研究所、汲古書院、2008年)、「先秦時代「譲」考 ―君位継承理念の形成過程―」(『歴史学研究』871、2010年)、「上博楚簡《鄭子家喪》的史料性格:結合小倉芳彦之学説」(『出土文献』第二輯、2011年10月)などがある。
佐川英治教授は、中国古代史を専門とする。均田制の研究を皮切りに、これを記した6世紀の歴史書『魏書』の史料論や征服王朝の問題へと研究を展開している。最近では、唐の長安に代表される東アジアの都市プランの起源の解明に取り組み、一方では383年の淝水の戦いを転換期とする新しい中国古代史像にも挑戦している。著書に『中国古代都城の設計と思想』(勉誠出版、2016年)、『378年 失われた古代帝国の秩序』(山川出版社、2018年、共著)、主な論考に、「北魏均田制の目的と展開」(『史学雑誌』110-1、2001年)、「東魏北斉革命と『魏書』の編纂」(『東洋史研究』64-1、2005年)などがある。
吉澤誠一郎教授は、清代史・中国近現代史を担当している。主な研究領域は19世紀から20世紀前半の中国政治史、社会史、経済史、思想史であるが、とくに近代都市社会の形成を民衆運動、ナショナリズムなどの問題と関連づけながら描き出している。最近では、中国の沿海部と内陸部との経済格差の歴史的起源に関心を持ち、内陸中国に頻繁に足を運んでいる。主著として、『天津の近代 ―清末都市における政治文化と社会統合―』(名古屋大学出版会、2002年)、『愛国主義の創成 ―ナショナリズムから近代中国をみる―』(岩波書店、2003年)、『清朝と近代世界』(岩波新書、2010年)がある。
六反田豊教授は朝鮮中世・近世史を専門とする。これまで朝鮮時代の水運史や財政史・経済史を中心に研究してきた。また10年ほど前から朝鮮時代の海事史研究にも従事しており、朝鮮時代後期を対象に、済州島民の漂流・漂着問題や地方官府の海防体制などについての論考を発表している。最近ではさらにそこから発展して、海や河川などの「水環境」と人間・社会とのかかわりに着目するようになり、共同研究を組織して、漢江流域を主要な対象地として現地調査を進めている。ほかに朝鮮時代の古文書研究や朝鮮時代の国家論・社会論なども手がけている。著書に、『日本と朝鮮比較・交流史入門 ―近世、近代そして現代―』(共編著、明石書店、2011年)、主な論考に、「朝鮮初期における田税穀の輸送・上納期限 ―漕運穀を中心として―」(『東洋史研究』64-2、2005年)、「十九世紀慶尚道沿岸における「朝倭未弁船」接近と水軍営鎮等の対応 ―『東萊府啓録』にみる哲宗即位年(一八四九)の事例分析―」(井上徹編『海域交流と政治権力の対応』汲古書院、2011年)、「洞春寺所蔵『新編古今事文類聚』紙背朝鮮文書の復元と検討」(宗教法人洞春寺編『山口県指定有形文化財『洞春寺開山嘯岳鼎虎禅師手沢本』保存修理事業報告書』同寺、2011年)、「朝鮮時代の「武」と武臣」(『韓国朝鮮の文化と社会』10、2011年)、などがある。
三浦雄城助教は、中国古代史を専門とする。これまで継続的に研究してきたテーマとしては、漢代に中国王朝の政治思想として確立した儒教と政治の関わりの研究がある。宗教ではないとされる儒教が当時の王権を取り巻く宗教性・呪術性にどのように対応したのかということに注意を払いつつ、特に瑞祥や讖緯とよばれる神秘現象に注目して、当時の政治について解明を行っている。主な論考に、「前漢宣帝に見る新旧符瑞観の相克 ―皇帝と儒教の関係をめぐって―」(『東方学』138、2019年)、「国山碑所見三国江南地域的政治文化」(『魏晉南北朝隋唐史資料』40、2019年)、「後漢光武帝と儒教的讖緯―莽新末後漢初の政治情勢から―」(『東洋学報』101-4、2020年)などがある。
学部講義2022
教員名 | 授業科目名 | 講義題目 |
---|---|---|
佐川英治 | 東洋史学特殊講義Ⅰ | 『三国志』の研究 |
東洋史学演習ⅠⅡ | 中国古代史演習ⅠⅡ | |
佐川英治 守川知子 | 東洋史学研究入門 | 東洋史学研究入門 |
吉澤誠一郎 | 東洋史学特殊講義Ⅶ | 清代後期の社会組織 |
東洋史学演習Ⅸ | 清代漢文史料演習 | |
東洋史学演習Ⅹ | 中国近代史料演習 | |
守川知子 | 東洋史学特殊講義Ⅱ | 聖地巡礼にみる西アジア史 |
東洋史学演習ⅢⅣ | 西アジア史・中央アジア史演習(1)(2) | |
島田竜登 | 東洋史学特殊講義Ⅲ | グローバル・ヒストリーのなかの近代南・東南アジア |
東洋史学演習ⅤⅥ | 南アジア史・東南アジア史演習(1)(2) | |
六反田豊 | 東洋史学特殊講義Ⅳ | 朝鮮時代史論 |
東洋史学特殊講義Ⅴ | 朝鮮前期漕運研究 | |
東洋史学演習ⅦⅧ | 朝鮮時代史演習ⅠⅡ | |
稲葉穣 | 東洋史学特殊講義Ⅵ | フロンティアとトランスフロンティア―前近代アフガニスタン史の研究 |
新居洋子 | 東洋史学特殊講義Ⅷ | シノロジー(中国学)の誕生 |
水野祥子 | 東洋史学特殊講義Ⅸ | イギリス帝国の環境史 |
大学院講義2022
教員名 | 講義別 | 講義題目 |
---|---|---|
稲葉穣 | 特殊研究 | フロンティアとトランスフロンティア―前近代アフガニスタン史の研究 |
新居洋子 | 特殊研究 | シノロジー(中国学)の誕生 |
水野祥子 | 特殊研究 | イギリス帝国の環境史 |
佐川英治 | 特殊研究 | 東洋史学の諸問題 |
六反田豊 | 特殊研究 | 朝鮮時代史演習(1)(2) |
小川道大 | 特殊研究 | 南アジア近世・近現代史演習 |
小寺敦 | 演習 | 中国古代史料研究 |
古井龍介 | 演習 | 中世初期南アジア史の課題 |
森本一夫 | 演習 | イスラーム史・イラン史演習 |
吉澤誠一郎 | 演習 | 中国近現代史研究 |
六反田豊 | 演習 | 韓国朝鮮中世社会史演習 |
黒田明伸 | 演習 | 中国経済史の研究 |
佐川英治 | 演習 | 東アジア世界形成期の研究 |
島田竜登 | 演習 | 南アジア史・東南アジア史研究 |
守川知子 | 演習 | 西アジア史・中央アジア史研究 |
博士論文
2021年度 | |
上出 徳太郎 | 財政支援からみた近代中国の新疆統治 |
石原 遼平 | 秦・前漢期における労役制度の類型と変遷 |
守田 まどか | Neighborhoods of Ottoman Istanbul: Politics of Order and Urban Collectivity, 1703‒54 (オスマン帝都イスタンブルの街区:秩序と地縁的共同体(1703‒54年)) |
2020年度 | |
宇都宮 美生 | 隋唐洛陽城水利研究 |
付 晨晨 | 中国中古の類書と士人社会 |
板橋 暁子 | 兩晉十六國時代の「正統」と「周緣」 |
三浦 雄城 | 漢代符瑞と儒教国教化の研究 |
2019年度 | |
黄 イェレム | プロテスタント宣教師による中国関連知識の構築 ――アヘン戦争以前の時期を中心に―― |
2018年度 | |
中川 太介 | 中華民国期の雲南における塩業改革―北京政府時期を中心に― |
斎藤 照子 | 18-19世紀ビルマにおける借金証文の研究――東南アジアの一つの近世―― |
2017年度 | |
植田 暁 | 農牧経済の展開と近代フェルガナ |
海老根 量介 | 「日書」の展開と中国古代の社会 |
澁谷 由紀 | 植民地期サイゴン市議会選挙の考察―ベトナム人都市政治運動の再評価― |
2016年度 | |
河野 正 | 中華人民共和国初期、河北省農村における社会変容 |
工藤 裕子 | オランダ領東インドにおける華人の経済活動 ―1900‐1930年のスマランを中心に― |
久保 茉莉子 | 南京国民政府時期における刑事司法 |
2015年度 | |
梅村 尚樹 | 宋代学校研究――地域社会における儀礼・祭祀空間としての視点から―― |
小澤 一郎 | 火器史における「近代」とイラン:地域間武器移転の変容と特定地域の歴史的展開との連関の研究 |
2014年度 | |
辻 明日香 | コプト聖人伝に見る十四世紀エジプト社会 |
関 智英 | 日中戦争時期、対日和平陣営における将来構想 |
曺 貞恩 | 近代中国におけるプロテスタント医療宣教の展開―中国医療伝導協会を中心に(1886-1932) |
芦沢 知絵 | 近代中国における日本企業の労務管理―内外綿株式会社を事例として― |
新居 洋子 | 18世紀における中国とヨーロッパの思想交流――在華イエズス会士アミオの報告を中心に |
上野 美矢子 | フィリピン革命第2フェーズにおける領外活動から見た崩壊の過程―フィリピン、香港、スペイン、アメリカ、日本― |
2013年度 | |
堀内 淳一 | 南北朝間を移動する人々と北朝貴族社会 |
長田 紀之 | インド人移民の都市からビルマの首都へ:植民地港湾都市ラングーンにおけるビルマ国家枠組みの生成 |
大塚 修 | ペルシア語文化圏における普遍史書の研究:9-15世紀の歴史叙述における人類史認識 |
2012年度 | |
森川 裕貫 | 民国前期における政論家の制度構想―『甲寅』雑誌を起点として |
阿部 尚史 | 19世紀イランの地方社会有力者の家・財産・相続 |
東條 哲郎 | 近代マレー半島ペラにおける華人錫採掘 |
木村 拓 | 朝鮮前期の事大交隣と羈縻―「侯国」的対外政策の形成と変容― |
2011年度 | |
佐々木 紳 | 近代オスマン帝国の立憲運動と議会論―ナームク・ケマルと新オスマン人運動― |
長谷部 圭彦 | 近代オスマン帝国における教育改革―教育行政と学校教育― |
富永 泰代 | カルティニの虚像と実像―1987年編カルティニ書簡集の研究― |
塩谷 哲史 | 中央アジア灌漑史研究序説―ラウザーン運河とヒヴァ・ハン国の興亡― |
松村 史穂 | 計画経済期中国における食糧政策の展開 |
村上 正和 | 明清期中国における演劇と社会―演劇政策の展開と社会関係― |
2010年度 | |
澤井 一彰 | 16世紀後半の東地中海世界における穀物問題とオスマン社会:イスタンブルへの食糧供給を中心に |
豊岡 康史 | 清代中期の対外政策決定過程とその除法:乾隆・嘉慶期の海賊問題を中心に |
鈴木 英明 | 19世紀インド洋西海域世界と「近代」:奴隷交易に携わる人々の変更 |
加島 潤 | 中国社会主義経済体制における地方政府と企業:上海市を事例として |
陳 永福 | 明末清初における党争と文社:江南太倉州太原王氏を中心に |
2009年度 | |
相原 佳之 | 清代中国における森林政策史の研究 |
呉 玲青 | 清代中葉台湾における米と銀:「台運」と「台餉」を中心として |
橋爪 烈 | ブワイフ朝の政権構造:支配一族の紐帯とダイラム |
森山 央朗 | ハディース学文献としての地方史人名録:10-13世紀の編纂流行とその背景 |
2008年度 | |
河原 弥生 | コーカンド・ハーン国におけるマフドゥームザーダ |
野田 仁 | カザフ=ハン国と露清帝国 |
柳 静我 | 清朝の対チベット政策:雍正年間を中心に |
2007年度 | |
石川 博樹 | ソロモン朝後期に於ける北部エチオピアのキリスト教王国:オロモ進出後の王国史の再検討 |
小笠原 弘幸 | 古典期オスマン朝歴史叙述における起源論と系譜意識 |
洪 成和 | 清代中国の民間度量衡問題と社会秩序 |
洪 宗郁 | 植民地後期・解放後における朝鮮社会主義者の現実認識と「転向」 |
中町 信孝 | アイニーとその年代記:マムルーク朝ウラマーの歴史叙述と社会的実践 |
渡辺 美季 | 近世琉球と中日関係 |
2006年度 | |
安部 聡一郎 | 後漢末士大夫像の構成過程からみた魏晉貴族制の形成 |
坪井 祐司 | 英領期マラヤにおけるマレー人枠組みの形成:スランゴル州の植民地統治におけるマレー系移民の役割 |
前田 弘毅 | サファヴィー朝のゴラーム:フロンティア政策と政治体制の再構築 |
2005年度 | |
奥村(吉田) 豊子 | 近現代中国民族政策の歴史的研究:内モンゴルと国共両党(1945-1949) |
齋藤 久美子 | 16-17世紀東部アナトリアにおけるオスマン支配の構造:征服と定着 |
佐藤 健太郎 | 13-15世紀マグリブ・アンダルスにおける預言者生誕祭 |
志賀 美和子 | 南インドにおける労働運動の研究民族主義・共産主義 ・非バラモン主義との関係を中心に |
李 季樺 | 文明と教化:19世紀台湾における道徳規範の構築と変容 |
渡部 良子 | 13-14世紀モンゴル時代におけるペルシア語インシャー術とインシャー作品:伝統的書簡文化とモンゴル文書行政 |
2004年度 | |
池田 知正 | 7世紀初頭までの突厥の勃興・拡大・分裂と東半ユーラシア史 |
グェン テイランフォン | ベトナム市場経済下の国家所有制度と企業経営構造:国家、企業と労働者との関係の変化の分析 |
齋藤 勝 | 唐代における「農」「牧」関係の諸相 |
高津 純也 | 中国戦国時代における「華」「夷」観の成立と『尚書』 |
増田 えりか | Siam's ‘Chim Kong’, Sending Tributary Missions to China(シャムのChim Kong,対中朝貢使節派遣) |
修士論文
2021年度 | |
劉昴 | 宮城中枢部に見る魏晋南北朝時代の皇帝権力 |
2020年度 | |
中島優希 | 清末の一知識人の師弟関係と生活態度――人の師としての王闓運―― |
大矢純 | ホルムズ島陥落後のポルトガル人とマスカト――オマーン湾海域における「第二のホルムズ」形成を目指して |
三宅舞佐志 | 5-6世紀内陸アジアの勢力再編と北魏六鎮の乱 |
2019年度 | |
宮内 勇弥 | 両漢魏晋期の諸民族の内遷と官爵授与 |
田中 雅人 | 近代移行期レバノン山地の地域社会とドゥルーズたち |
2018年度 | |
朴 周恩 | 9-10世紀における東アジアの交流―唐無染院碑の分析を中心に― |
矢野 広樹 | 18世紀前半のカスピ海―南下するロシアと北進するペルシア― |
2017年度 | |
浅見 千秋 | 立憲制下のイランのユダヤ教徒―請願と移住を中心に― |
柏倉 優一 | 戦国楚国の司法と国家祭祀―春秋戦国時代楚国の政治・社会構造研究序説― |
2016年度 | |
金谷 真綾 | イルハン朝期の地方政権キルマーン・カラヒタイ朝における君主の表象と統治の正統化――いわゆる『王の歴史(Tārīkh-i shāhī)』の分析 |
徳永 佳晃 | カンダハール地方をめぐるサファヴィー朝とムガル朝の係争―両朝関係の性格の再検討― |
大久保 翔平 | オランダ東インド会社のアヘン貿易、1667~1780年―生産・流通・消費― |
瀬尾 光平 | 第二次世界大戦後香港における爆竹規制の展開と華人社会 |
新津 健一郎 | 古代西南中国地域社会史の研究-出土文字資料からみる後漢・三国期の地域社会- |
殷 晴 | 邸報と清代の情報伝達 |
2015年度 | |
田熊 敬之 | 中国北朝期における西域系胡人官僚の研究 |
嘉藤 慎作 | 17世紀スーラト史再考―ムガル朝下の港市空間の構造と商人― |
高本 尽 | 17世紀後半港市マスリパトナムにおけるイギリス東インド会社の商業活動―現地商人との綿織物買付契約を中心に― |
藻谷 悠介 | ムハンマド・アリー占領期におけるアレッポ高等協議会の研究―19世紀シリアにおける地方行政改革の前駆として― |
2014年度 | |
野間 稔 | 南京・国民政府期の債券を巡る問題―債券市場、債権整理 そして金利問題― |
板橋 暁子 | 両晋交替をめぐる華北勢力の動向と東晋の正統性 |
2013年度 | |
長沼 秀幸 | カザフ草原におけるロシア帝国統治体制の形成―ケネサル叛乱(1837-47年)への対応とその帰結― |
三浦 雄城 | 古代中国江南政治文化研究―国山碑の分析を中心として |
2012年度 | |
水上 遼 | イブン・アル=フワティー著『アダブ集成』にみるイルハン朝下の学者たち―その移動と交流を中心に― |
岩田 香織 | インド民族運動家と移民社会―20世紀初頭カナダを例にして |
張 楽 | 出土資料よりみた秦漢の郡県における文書行政 |
2010年度 | |
植田 暁 | フェルガナ地方のクルグズ遊牧民と1916年反乱 |
久保 茉莉子 | 1920年代・1930年代の中国における刑法学 |
2009年度 | |
片倉 鎮郞 | インド洋の「商人王」とその「臣民」たち:19世紀初葉におけるブー・サイード朝とイギリス東インド会社政府との交渉を事例として |
上出 徳太郎 | 19世紀後半イリ、タルバガタイ地方における露清国境管理 |
芹川 梓 | 17~20世紀モロッコの守護聖者概念考察:テトゥアンのスィーディー・サイーディーを例に |
守田 まどか | イスタンブルにおける「街区共同体」の成立:16世紀の『ワクフ調査台帳』に見られるイマームへの寄進の数量的検討を通して |
2008年度 | |
海老根 量介 | 戦国『日書』に反映された地域性と階層性:九店楚簡『日書』・放馬灘秦簡『日書』の比較を通して |
神谷 茂子 | マラヤ華人世界におけるリーダーの台頭と挫折-陳嘉庚ネットワークの台頭と解体の過程- |
照内 崇仁 | 魏晋南北朝期の土人・学問と地域 |
2007年度 | |
河野 正 | 中華人民共和国建国初期、華北農村の政権建設と成人教育 |
佐藤 尚平 | アラブ首長国連邦、バーレーン、カタールの独立と英国の撤退 |
山下 真吾 | オスマン帝国の興隆と没落をめぐる諸言説 |
2006年度 | |
上野 美矢子 | 香港における19世紀末「フィリピン革命」の対外活動第二フェーズの崩壊過程 |
梅村 尚樹 | 宋代地方官学と地域的アイデンティティ:成都府学の文翁顕彰から |
工藤 裕子 | 植民地下ジャワ華南の対外志向:20世紀初頭におけるスマラン貿易商の活動 |
篠田 祐子 | 20世紀前半中国の司法における財産継承と宗 問題 |
小俣 日登美 | 迫害に見る清朝典礼問題以降のキリスト教 |
澁谷 由紀 | 國語新聞と市議会選挙:植民地期サイゴン市、チョロン市におけるベト人住民の同胞意識 |
永井 朋美 | ロシア領トルキスタンにおけるワクフ問題:ワクフ地の所有権と免税権を中心に |
2005年度 | |
小川 道大 | 19世紀西インドにおけるサランジャムについての一考察 |
長田 紀之 | 植民地期ラングーンにおける都市計画と居住民 |
小澤 一郎 | 19世紀初頭のイランにおける軍隊とその改革:アッバース・ミールザーによる軍制改革の研究 |
小林 理修 | 初期アフマドシャー朝史再考 |
荘司 博史 | 南京政府期山東省に於ける企業活動について:地域経済の観点から |
新居 洋子 | 18世紀におけるイエズス会士と中国音楽 |
峯島 秀暢 | ネルー外交とチベット問題 |
村上 正和 | 風雅の伝統と戯禁政策 |
森川 裕貫 | 中華民国初期の国家制度構想 |
2004年度 | |
大塚 修 | セルジューク朝史の創成:イラン・イスラーム世界史叙述(12-16世紀初)の中で |
木村 伸子 | 象徴の赤いザント帽 |
塩谷 哲史 | コングラト朝ヒヴァ・ハン国の構造:19世紀前半コングラト朝の政策の分析を通して |
陳 永福 | 明末清初における紳士と地方社会:王時敏と陸世儀を中心に |
辻 明日香 | バフリー・マムルーク朝におけるムスリム・ズィンミー関係の展開:700-767/1301-1365 |
2003年度 | |
芦沢 知絵 | 1920年代上海の紡績工場における労働管理:在華紡の実践をめぐって |
川上 聡一 | 朝鮮時代後期の地域社会における民訴と法文化 |
関 智英 | 汪精衞政権による正当性獲得の模索(1940-1945) |
豊岡 康史 | 清朝による海賊案件処理のパラダイムと政治状況の変容:乾隆・嘉慶年間の「艇盗の乱」を中心に |
中野 さやか | アリー・ブン・ムハンマドの反乱とアッバース朝社会:「ザンジュの乱」再定義 |
2002年度 | |
木村 暁 | アミール・ナスルッラーとその時代:「近代」に接したブハラ・アミールの統治 |
木村 拓 | 一五世紀における朝鮮王朝の外交観:外交文書の使用実態を手がかりとして |
佐々木 紳 | オスマン帝国立憲議会構想:ナームク・ケマルのウスーリ・メシュヴェレットについて |
東條 哲郎 | 植民地下マレーの労働構造と政策:19世紀末から20世紀初頭の錫工業について |
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