最終回保護者ぶっちゃけトーク【現地校に入れて良かったこと】
お正月特別企画
最終回保護者ぶっちゃけトーク
【現地校に入れて良かったこと】
海外生活のなかで、子どもたちが日本人学校以外の学校に通うと必ず発生する日本語力の問題。子どもの将来に不安を抱える保護者たちのために、全3回に分けて2人の子どもを現地校に通わせる日本人保護者の意見をご紹介します。最終回となる第3弾は日本語の学習や夏休み期間中日本の学校の体験入学についてです。どんなトークが飛び出してくるか乞うご期待ください!
登場人物
D
M
Dさん女性
14歳の長男と10歳の長女がおり、それぞれ現地校に通っている
Mさん男性
11歳の長男と6歳の次男がおり、それぞれ現地校に通っている
哈哈
とにかく「私は助けられないから自分でするしかないよ」と言って、実際助けていません(笑)
白
1
ーDさん
司会
前回の宿題についてでも質問しましたが、子どもの教育に対して親はどこまで面倒見ているのですか?
Dさん
うちは子ども任せです。小学1年生のころから「先生の言うことをちゃんと聞いていればできる」と呪文のごとく言い、「授業さえちゃんと真面目に聞いていれば分かる。私は助けられないから自分でするしかないよ」と言って、実際助けていません(笑)。
危機感を煽っているわけですね(笑)。
Mさん
Dさん
放っておいていますね。そこは親の助けを借りず自分でやるしかない。
今でこそ、子どもの勉強は僕が見ていますが、長男が1年生のときは僕の方が忙しく、反対に妻は仕事が今より忙しくなかったから子どもの勉強を見る余裕がありました。また、当時は妻の両親とも同居していたので、手が空いた人がその都度勉強を見ていたという感じです。でも今思い返すと、あれは良くなかった。面倒を見ていた4人の教育方針がバラバラだし、宿題のチェックも適当だったから、何が終わって何が終わっていないのか、親同士の引継ぎがすごく大変でした。そのため、途中から親との同居を止めて近所で暮らす一大決心をしました。そのころから妻も忙しくなり、僕が見るようにしています。
Mさん
司会
生活スタイルを変えて、子どもに何か変化はありましたか?
長男は少しは自主的に勉強をしてくれるようになった気がします。あ、でも今はテスト期間ですので…。
Mさん
Dさん
どうやって勉強をやっているのか、ときどき様子を見ると、「こんな効率の悪い勉強をしているの?」と驚かされることはありませんか?「あのとき、口を出していれば勉強のやり方が変わったんじゃないかな?」と思うこともあります。
司会
面倒を見るのも見ないのも親が決めることですが、子どもがしっかりやっているからこそ、お二方はきちんと信頼しているのではないでしょうか?
哈哈
日本語が話せれば書く方も自然にできると思っていましたが違いますね。
白
1
ーMさん
Dさん
話は変わりますが、Mさんの家では日本語の勉強はやっていますか?
親との会話以外では、日本語のアニメや映画などのDVDを見せています。日本語を聞くところで、苦にならない程度まで持っていけば大丈夫なのではないでしょうか。あとは日本の出版社の漢字や読み方の日本語ドリルなどもやらせています。
Mさん
Dさん
うちはドリルなどは完全に拒否です(笑)。
司会
ならどうしているんですか?
Dさん
うちは映像や漫画を見て覚えるようなことはしていましたが、「言葉を書く」方はすでに壊滅的ですね…。
うちも、日本語が話せれば書く方も自然にできると思っていましたが違うことを気付かされました。例えば、子どもが解いた日本語ドリルを見直すと、カタカナや日本語特有の漢字の使い方のぎこちなさがよく分かります。
Mさん
Dさん
特に訓読みですね。日本語が読めても自分で書くことは別です。文章を書くときの「てにをは」の「をは」がよく間違っています。特に長男は活字アレルギーなので日本語学習をやらせていませんでした。当時小学4年生だった長男がある日、「学校の昼休みに日記を書いた」と差し出したのでウキウキしながら見たら、あまりの日本語のレベルに笑いとショックを隠すのに苦労する内容でした。得意になって見せてくれたから褒めましたが、書き間違え方が小学校低学年レベルです。一方妹は有料の日本語タブレット教材を使っていますが、もう少し積極的に取り組んでくれたら良いなと…。
日本語の文章はしっかり勉強しないと書けないですからね。3年生4年生のころから日本の授業に理科や社会が加わるから、そういった科目はドリルでやらせています。
Mさん
Dさん
日本語勉強をさせる時間はありますか?
学年にもよりますが、3年生4年生のときは今より時間があったので、1日2枚ほどやらせていましたが、高学年になるとそれが週末になり、今は学校の勉強が忙しいからストップしています。でも、夏休み、冬休みのときは1日6枚ほど日本語教材のドリルをやらせています。
Mさん
Dさん
妹の日本語タブレット教材も本来なら毎日やり続けてくれるのがうれしいですが、長期の休みが勝負ですね(笑)。長期休み期間中の勉強はローカル校の方が緩いですね。特殊な課題以外の自由研究はないし、日本の学校よりも宿題が多いわけでもないし。
司会
イメージしていたよりも全然違いますね。
哈哈
日本の学校に行った子どもがよく言うのは、先生優しい、宿題少ない、給食美味しい(笑)
白
1
ーMさん
Dさんのお子さんは休みの間、日本の学校へ短期体験入学はしないのですか?
Mさん
Dさん
日本へは毎年夏に帰っていることもあり、短期体験入学には行かせようとしていましたが長男は嫌がっていました。でも、6年生のとき「最後のチャンスだよ」と言い聞かせ行かせました。逆に妹は毎年ではないですが喜んで学校に通っていました。自治体によって違うようですが、公立校は受け入れてくれるようです。実家がある東京都の豊島区では夏しか受け入れがないと言われました。3学期は行事が多くて先生の負担が大きいからという理由だそうです。本当は冬休みが長いのでそのときに日本の学校に行ければいいのですが。
日本の学校に行った子どもがよく言うのは、先生優しい、宿題少ない、給食美味しい(笑)。
Mさん
Dさん
そして学校がきれい(笑)。あれほど嫌がった長男が日本の学校に行ったところ結構楽しかったという感想でした。
哈哈
人前で間違えると恥ずかしい、という雰囲気がないのが現地校のいいところですね。
白
1
ーDさん
最近の日本にいる子どもたちや若者のニュースを見るととにかく病んだ話題が多いですよね。でも現地校はそういう雰囲気はまったく感じません。素直だし、良いことと悪いことの分別はついています。みんな明るいのか、日本でよくある登校拒否は聞いたことがありません(笑)。
Mさん
Dさん
確かに登校拒否は聞いたことがありませんね。
学級崩壊も聞いたことないし、そもそも中国語でそういった単語は存在しないんじゃないかな、というくらい擦れた話は聞きません。
Mさん
Dさん
学校がマンションの隣にあるのでよく通りかかりますが、授業中だろうが休み中だろうが、結構賑やかです(笑)。シーンとして授業を受けているわけではなく、授業中の発言も活発ですね。間違えても「それはおかしい」という雰囲気もなく、言いたいことをドンドン言える雰囲気があるようで、それは子どもにとって一番大事かなと思っています。
そうそう、それはありますね。
Mさん
Dさん
人前で間違えると恥ずかしい、という雰囲気がないのが現地校のいいところですね。
うちの長男は人前に出るとちょっと奥手になりがちだから、この前、「授業で手を上げているの?」と聞いたら、「普通に手を上げているよ、今日は4回ぐらい発表したよ」と言っていました。また、先生がテストの答え合わせをするときは、一方的に問題を解いて発表するのではなく、生徒たちが自分の間違った箇所を発言し、先生が解説するというシステムです。日本だと恥ずかしがって誰も手を挙げなさそうじゃないですか。
Mさん
司会
現地校の生徒が競い合って手を挙げるところは日本の学校より良いと思います。手を挙げて回答を間違えたときの恥ずかしさを感じないのは良いことですね。
Dさん
長男は大人しいのですが、辛うじて現地校で揉まれているので、授業では積極的に手を挙げているそうです。日本の学校に行っていたらそこまで積極的に発言するような子になったかどうか…。
物怖じしない雰囲気を身に付けていると思います。長男がまだ小さかったころ、子どもに自分で買い物に行かせたくて、言われたとおりの買い物をすれば、欲しいものを買ってあげるゲームをしました。実際全然物怖じせず知らない店員さんに商品がある場所を聞いて買ってきましたよ。
Mさん
司会
今の日本の子どもは真似できないですね。
最初詰め込み授業を行う現地校に対しては妻とともに警戒をしていましたが、私の想像を超えるほど子どもは覚えが早いです。この時期にこれくらい詰め込んでも良いんじゃないかと思いました。とにかく知識を吸収してからその後に分別をつける、みたいな感じです。今思えば悪くないと思います。
Mさん
Dさん
うちの子もなんとか授業に付いていけるので良いんじゃないですか?
中国の学校で行われる膨大な詰め込み方式の教育は可愛そうという負のイメージが付きまといすが、子どもの吸収力はすごいもの。学級崩壊や不登校といったネガティブなイメージがないのは、日本と比べて良い点かもしれません。日中間のハーフで生まれた子どもの将来を考えたとき、この保護者ぶっちゃけトークは、ひとつの判断基準となるかと思います。記事を最後まで読んでくださりありがとうございました。
(おしまい)