【それいけB級グルメ探訪隊】②外観のギャップが大受け【超級文和友】
太古匯の裏にあり、アスコット真隣にできたレストランの超級文和友。写真は平日だが、休日になると店の周りは並び待ちの人でごった返す
正面から見ると古びた街の一角のような雰囲気が出ており、およそ天河区には似つかわしくない外観。しかしそのギャップが人気を呼び、押しも押されぬ人気レストランへと変貌を遂げた
6月19日、天河区天河東路のアスコット隣に奇妙な建物をしたレストランが出現した。見た目は20年前ほどのレトロな建物で、発展著しい天河区中心部の雰囲気に似つかわしくないデザインだったが、逆にこの奇抜なボロいデザインがウケて、今では休日ともなると1時間以上の並び待ちを生む人気レストランへと変貌を遂げていた。食事よりもこの建物そのものを撮影してSNSにアップする目的で多くの集客をゲットできているこのレストラン名は超級文和友。果たしてどんなレストランなのか期待を膨らませて訪問した。
◎見た目はまんま九龍城砦が実は巨大なフードコート
健康コードを見せて中に入ると、広東のソウルフードを売るお店が何店舗も入っている。建物全体がフードコートなので、ここで買ってその場で食べることもできる
超級文和友は、湖南文和友文化産業発展集団有限公司傘下の企業で、湖南省発祥のレストランだ。20年前の長沙の街並みを再現したレストランと謳っているが、広州では昔の広東の街並みを再現したと行っても過言ではないデザイン。
この作りどこかで見たことがあるなと思い巡らすと、かつて香港にあった九龍城砦、もしくは日本の川崎市にあったウェアハウスを彷彿させるデザインで、逆に広州市民からはイケイケ天河にテーマパークのようなレストランができたことが人気を呼び、休日の食事する時間帯にこの建物前を通ると1時間以上は並び待ちをしているほどごった返している。
ほとんどのお客さんは建物内部の撮影目当てであると勝手に推測。そしてとある平日、人が少ないランチ時前を見計らって行ってみた。
2階に出っ張っているバルコニーから1階を撮影。食事をするスペースはあるものの、休日の人数には対応できていない席数
入場するときは、微信のQRコード読み取りを行い、同店をフォローすると同時に14日間の足取りも調べられる。QRコードで健康ですを示す緑画面が出れば入れる。お店の敷地内に1歩入ると、そこには小吃(中国風スナック)を売る数々のお店が並んでおり、その場で食事をすることもできるし、中で食事をすることもできるし、テイクアウトすることもできる。建物全体がフードコートとなっているのだ。
せっかく来たんだからとスタッフに「食事に来た」と告げると、「2F6区」と書かれた紙を渡された。
コンクリートむき出しの狭い階段を登っていく。外観や内部は20年ぐらい前の広州の街なか、もしくは◎◎鎮という村を再現した作りとなっており、会場に向かうまでテイクアウトできるレトロ風なお店の前を何軒か過ぎた。奥にはエレベーターもあったが、それは食事を終えたあと気が付いた。
打ちっぱなしのコンクリートにはわざわざ(怪しい携帯番号などが書かれていたと推測)シールを貼ってそれを剥がした跡や壁の落書き、錆だらけのシャッターなどがあり、レトロ感演出は本物だ。
今回2階で食事をした場所。どこかの鎮の広場っぽい
食事スペースに向う途中には、お昼ごろからポツポツとお店がオープンする。この場で会計をする
テイクアウトできるレストランだから、自由に買って指定されたエリアの空いている席に座って食べられる。1階は餃子屋や腸粉店、麺店、鶏仔餅店、、肉団子(丸子)店、2階はコーヒースタンド、ミルクティースタンド、河(フォーで麺屋)店、牛内蔵店、臭豆腐店などがある。
通された場所は、街なかの広場を再現したホールで、広州市の中心部では見られなくなった何本も剥き出した電線や懐かしいデザインの小売店(ここはレジ精算するところ)などがあり、それ以外は食事を取るテーブル席となっている。周りのゲストはこの建物内で買った商品をいろいろ持ち込んでいた。
◎主食は12時までお預け。来た串焼きは…!?
メニューだが、下から2番目の焼烤は12時以降に注文してといわれた。青く塗りつぶしているところは今天没有
ワゴンで売りに来た点心1。見た目パイナップルパンの中身はチャーシュー。1個8元
スタッフがメニューを持ってきてくれたが、いきなり数品をペンでチヤッチャと塗りつぶして「今天没有」と一言。「それないなら最初から消しておけよ」と突っ込みたくなる対応でこのレストランの接客レベルは大体わかった。内容はどちらかというと茶餐廳という雰囲気だ。
ワゴンで売りに来た点心2。揚げワンタンは1皿10元
メニューに載っている料理を注文しようと選ぶ。10元、20元、30元の前菜メニューがあるほか、メインの一つに串物もある。五花肉串(豚バラ肉)15本で15元ということはどんだけ安いんだよ(笑)と同行してくれた友達と会話をしていたら、やってきたスタッフは「メニューに載っている上1/3以外の料理はお昼の12時以降にならないとオーダーを受け付けていない」とピシャリ。
「なんや!このサービスは」と一瞬ムッとしたが、よく考えたら12時前は前菜でお腹を膨らませて、12時以降にメインを食べてもらう計算なんだと自分自身で納得させた。それに先程も言ったようにこの建物内ならフロアで注文する料理以外でも出店でテイクアウトして持ち込めるので、頼まなくてもモーマンタイ。
お腹が空いたので、枝豆(卤水毛豆、10元)を注文。昼からビールが欲しくなる辛い味付けだった。
ニラ玉炒め(韭黄炒蛋)は1皿20元
にんにくをたっぷり載せたホタテ焼き(元貝)は4個40元。どこのお店でも美味い
早速来た料理をいくつか食べる。味はまあまあ。途中で点心を載せたワゴンもやってきた。今どき広州の飲茶店でワゴンセールをしている店を見かけなくなったので、このサービスは面白い。
子供の指の第1関節ぐらいの1串1元の五花肉串。流石にこれには笑った
そしてやってきたメインの五花肉の串焼きだが…「小さっ!!」の一言。本当に笑っちゃうくらい小さい。串に刺さっている肉の量が子供の指の第1関節サイズに近いたったの1切れが1本。広州のような物価高で1串1元というベラボウに安いカラクリがなんとなく分かってきた。これで15本15元か…しゃーねーなーとなんだかペテンにかけられた気分だが、まあネタとして笑い飛ばしておく。
◎主役はどうしても景観の撮影
1階は食事スペースだが、2階3階は吹き抜けとなっている建物内部。約20年前にあった集合住宅の感を呈しており、ゲストのほとんどはここで自撮り&撮影。1階のシャッターと窓に設けられた鉄格子のリアル感がすごい
食事を終えて会計を済ませたあとは、店内徘徊。建物は1〜3階のほかにM階もある4階建てでこれから営業するであろうお店も含めて20店舗以上入っている。このメインが1階から3階までの吹き抜けで、1階はレストラン会場となっているがそれ以上の階層はボロアパートの中庭といった感じで怪しいピンク色のライトが彩る看板や家の軒先に干しっぱなしの衣類などB級生活感漂う作りで、ここで皆さんスマホやカメラを片手に必死に撮影。これがSNSに載ることで広告の効果につながっているからお店の戦略に恐れ入る。
正直、食べ物はそこまで楽しめないが、撮影で友達や周りの人間に見せびらかすなら同レストランは当面の話題性には事欠かない。広州をアテンドするのに面白い場所はどこ?と聞かれたら、まずここをあげておく。
1階から見上げた様子。妖しく上層階を照らすピンクライトといい、あたかも壁に貼ってあったシールを剥がした跡がB級っぽさを演出している
ちなみに、「文和友」と付くお店は長沙市と広州市にチェーン店が何店舗とあるが、ほとんどはザリガニ店である。そういえば深圳市羅湖区でも超級文和友を建設しているので、完成したら一度は話題性のために訪問してみては如何だろうか。
超級文和友データ 住所:広州市天河区天河東路73号 電話:4008783322 営業:11:00〜翌3:00 平均:107元(大衆点評より) |
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