【中国入境者はここで隔離】​広州国際ヘルスステーションまもなくオープン

9月頭に撮った建設中の写真

　6月28日付けの広州市発表によると、同市では9月中に全国に先駆けて5000名が収容できる広州国際ヘルスステーション（广州国际健康驿站）がオープン。9月5日の時点で建物の一部が引渡され試営業中である。これまで海外からの広州入境者は政府指定の隔離ホテルに振り分けられていたが、隔離中の感染リスク防止の観点から、広州市衛生健康委員会が中心となって「外部からの輸入防止、内部からの拡散防止」を前提とした集中隔離施設プロジェクトが立ち上がった。今回、この同ステーションの状況と実際現地で撮った写真とともに紹介する。

白雲区鐘落潭で開業

　この国際ヘルスステーションは、広州市白雲区の国道105号線沿いの鐘落潭という場所に建設され、地下鉄14号線の馬瀝駅から徒歩5分の場所にある。投資額は約14億3000万元、敷地面積は33.3万㎡、総建築面積は24万㎥。5000室の個室と医療関係者2000名が利用できるベッドを用意するこの施設は完成まで74日以内という期間を設け急ピッチで建設が進んでいる。

　基礎工事はほとんど終わり、9月5日には試営業がスタート、今月中に本格運営に入る。入境からの隔離移送や医療サービス提供など14日間の全行程は広州市赤十字会病院が担当する。

広州国際ヘルスステーション

　実際車で行ってみたが、建設エリア内に入ることが出来た。1期の箱自体は完成していたが予想通り周りの環境整備が全然終わっておらず道の両脇には建設関係者および建設資材を運ぶトラックで埋まっていた。また、施設前の道路は車自体の通行は可能だが入るとき健康コードと体温チェックを実施している。2期の建物はまだまだ。その気になれば馬瀝駅ホームから俯瞰撮影ができる。

第1期では医療スタッフ450名が常駐

　同ヘルスステーションは11のエリアで構成されており、各エリアには嶺南文化の特徴が散りばめられており、レベルの高い医療スタッフや感染の専門家が配置されている。また、発熱診療科や総合外来、検査室などを開設し、入国者に質の高い診療サービスを提供する。

　第1期の医療スタッフは300名、後方勤務スタッフは150名となる450名が在籍。スタッフの配置は「段階的」に行われており、各病院から経験豊かな疫病対策医療従事者を同ステーションに派遣する。

　例えば、今回は荔湾区を支援する拠点医療チーム、高リスクエリアに進出するPCR検査チーム、広州医科大学付属市八病院の感染対策を支援する医療チームなど。第2期のスタッフは各病院で関連研修を終えた後、ヘルスステーションに入所する。今後はヘルスセンターの運営状況、業務量の変化、情報化管理モデルに基づき、さらに人員を配置する予定だ。

すべてをスマート化と閉ループ管理を実現

　同ヘルスステーションでは、これまで隔離ホテルが行ってきた検温、消毒、記入、食事の配達、医療ゴミの収集などの作業が、すべてスマート化され、集中管理が行われる。
　例えば、芳村で閉鎖管理措置が実施された初期（5月末）には、病院から派遣された100名の医療スタッフが、毎日着替えてきた医療服を病院に持ち帰って洗浄・消毒をしなければならない問題に直面していた。この輸送と消毒の過程が病院に高いストレスをもたらしていた。感染初期の芳村地域の患者は陰圧救急車を利用し、市内の各大病院に搬送されて救急治療を受けなければならなかったが、これは病院感染のリスクをもたらすことにもなる。

広州国際ヘルスステーション見取り図。情報源

　そのため、同ヘルスステーションでは、高度な医療技術を提供すると同時に内部では無人車を使った配送を含めた閉ループを行い、ステーション内の医療システムの運用を改善していく。ここ最近は隔離ホテルのスタッフが海外からの入境者から感染した例もあるため、入境者を同ステーションに集中隔離と一括管理させることで、他人からの感染リスクと医療関係者の負担を減らしていく。

関係者の利用体験

情報源　
関係者が同ステーション（1314号室）を1泊した際の感想があがっている。
①　9月5日より試営業がスタート。ただし、本格運営はあと20日ほど要しそう。
②　同ステーションには広州佳都科技公司が提供したさまざまなインテリジェンス設備が完備
③　客室は18㎡、27㎡、36㎡の3タイプあり、36㎡は1家3人も難なく過ごせる
④　スタンダードルームのトイレは狭いが使えないことはない
⑤　TV視聴、LANケーブル接続口、エアコンといった基本設備はある
⑥　部屋の中の明るさは問題ない。外の窓は空けられるが外には出られない
⑦　同ステーション内には食堂があるほかワイマイもできる。試しに注文したところ最寄りの店まで5㎞以上離れている
⑧　5000室が同時に点灯するとかなり明るい
⑨　最大の欠点は退屈・ヒマなことだが、すでに退屈だ。パソコンを持ってこなかったことを後悔している。どうせなら各部屋に『五年高考三年模試』置いておき、満点なら隔離免除、落第点ならはさらに7日間すればいい（笑）

動画（bilibili）はこちら。思ったよりも狭い

【おまけ】月給6600元+保険で

スタッフ募集中

情報源　
「入社すれば国有企業の従業員になれる！広州国際ヘルスステーションスタッフ募集、月給6600元/月+5つの社会保険と住宅基金+有給年休+食住込み」という見出し。

　また募集案内では、「政府は広州に最初の国際健康ヘルスセンターを建設した。海外からの入国者を市内の隔離ホテルへの分散から1カ所に集中させるために「非接触サービス」の「スマートステーション」を構築する。同ステーションには広州市の専門スタッフと病院感覚の専門家が配置され、総合外来、発熱診療科、血液浄化センターなどが設置されており、ほとんどの職場は作業中入国者と直接接触しない」という説明書きがある。

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募集職種は以下の通り

飲食店

1.レストランスタッフ（主に梱包を担当）

2.VIPコンシェルジュ（性格がよく、簡単な基礎英語力と、海外フライトの電話に対応する必要があります）

3コック

4.調理師

総合サービス部

1.ロビーコンシェルジュ、客室係（2～3年の経験が必要）

2.公区係員と洗濯スタッフ

勤務先住所

広州市白雲区鐘落潭

給与

コックは6000～9000元/月、他の職場5500～6600元/月、毎日8時間勤務、お休みは月8～9日、5つの社会保険と住宅基金、食事と宿泊込み、居住は個室で、年次有給休暇、高温補助金、および関連する職場の補助手当があります、とのこと。

勤務要件

満18～60歳、男女問わず、健康、経験の有無を問わず、半月から1カ月間のトレーニング（給与付き）を提供（女性は50歳を超えても受け入れるが、社会保険に15年の年限を購入している必要がある）

応募方法

氏名+電話+性別+応募先を微信に送信（または履歴書を送信）

　待遇面を見るとなかなかの好条件だが、こちらもサービス業態のため、難点はシフト制のため週末休日がなかったり、春節でも働くことになる点か。まあ、入境者とはほとんど接触しないと書いてあるが、PCR検査はほぼ毎日受けなければいけないだろうし、施設の外に出るのもかなり難しいのではと想像できてしまう。ある程度のサービス業経験があり、また新しいジャンルに挑戦したければ受けておいて損はない。外国人採用は無理そうだが。

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