【トレンド】中国観光客「爆買い」は電子製品から化粧品へ
中国人観光客の日本での「爆買い」はまだ続いているが、関心の的は電子製品から化粧品へと移り変わっている。
日本政府観光局(JNTO)がまとめた最新のデータによると、円高が中国人観光客の日本旅行熱を冷ましたとみられるが、それでも日本は今年7月にのべ73万人を超える中国人観光客を迎え入れたという。
データによると、メイド・イン・チャイナの電子製品の品質向上にともない、中国人観光客は日本製電子製品への興味を失った。その一方で、日本の化粧品への関心が高まり、中国人女性観光客の重要性が浮き彫りになっている。
米国ブルームバーグ社が22日に紹介した、JTB総合研究所の早野陽子主任研究員の指摘によると、「中国人消費者は中国国内で電子製品を買うようになった」という。
ブルームバーグ社の分析では、中国製電子製品の質が向上しただけでなく、円高と関税の調整も中国人観光客が日本でこうした製品を買わなくなった原因の1つだ。また訪日観光客は20代から30代の女性が多い。日本の国土交通省観光庁のデータでは、20~30代の女性が今年第2四半期(4-6月)の訪日中国人観光客に占める割合は40%を超えた。
劉毅さん(36歳)は湖北省から来た専業主婦。「中国人はこれまで、日本の電子製品はとてもいいと思っていたけれど、中国の電子製品も今ではよくなった。日本の化粧品と健康補助食品は本当にいいと思う」と話す。
ブルームバーグ社によれば、中国人観光客の日本旅行は4~6日間が過半数を占める。人気があるのは、東京、富士山、京都、大阪をたどる「ゴールデンルート」だ。
観光庁が先月発表した試算データによれば、今年上半期の訪日外国人観光客はのべ1171万人を超え、前年同期比28.2%増加した。第2四半期の観光消費額は9533億円で同7.2%増加した。
上半期の訪日観光客のうち、大陸部から観光客が最多でのべ308万人に迫った。2位は韓国でのべ238万人、3位は台湾地区でのべ216万人だった。
中国の海外旅行者、消費がバージョンアップ
中国観光研究院と旅行予約サイトの携程旅行網が発表した「2016年上半期中国海外旅行者報告」によると、上半期には海外旅行の増加ペースが鈍化したが、その消費構造には積極的な変化がみられた。支出が増加し、それは主としてより質の高い観光商品を購入するようになったためで、買い物が増えたためではなかった。
同期の中国人の海外旅行者数はのべ5903万人に達した。消費のバージョンアップが同期の海外旅行の主旋律となった。宿泊先がグレードアップし、特色ある高級ホテルが好まれるようになった。スケジュールがゆったりしたものになり、急いであちこち回るというようなことが減ってきた。食事の内容もグレードアップし、その土地ならではのものを食べるようになった。ありきたりのルートではなく、チャーターバスでの旅行や自分で組み立てた旅行をするようになった。
各国が中国人観光客争奪戦
中国国家観光局の統計によると、昨年中国のアウトバンド客は1億2千万人に到達。この先5年でその数は6億人を超えると見込まれている。そのため、海外の観光機関は、中国の観光市場の恩恵にあずかり、さらに多くの中国人観光客を呼び込もうと躍起になっており、中国語や中国文化を学び、対応する政策や対策を打ち出している。
中国のエチケットやマナーを学ぶ外国人
中国人観光客が増加の一途をたどっているため、カナダや米国の観光業界では現在、中国の風習を学ぶのがブームになっている。カナダ・アルバータ州の観光局はクラスを設置し、中国の文化やエチケットを教えている。例えば、「高齢の人と乾杯をする時は、コップの高さを相手より低くしなければならない」や「名刺やプレゼント、チップなどを受け取る時は、両手で」、「定価には、『6』や『8』などの数字を含めなければならない」などだ。
米国ロサンゼルスの観光局は、現地の観光業者・機関を対象に、上級の研修クラスを設置している。研修に参加する業者らが認証を得るには、中国語のガイド情報を準備するほか、中国の銀行間決済ネットワーク・銀聯のクレジットカードやデビットカードでの支払いを可能にしたり、中国語を話せるスタッフを雇ったり、微博(ウェイボー)、微信(WeChat)などのSNSのアカウントを設置したりしていなければならない。
中国人観光客好みの観光ルート設置
中国のストーリーを語り、中国の声を伝える革命をテーマにした「紅色観光」(赤色観光)。ロシアは、中国人観光客を対象にした「紅色観光」のルートを設定している。同ルートでは、モスクワ郊外の中国の六大遺跡や歴史的なポイントをめぐることができる。ロシア以外に、ベトナムも、首都ハノイにある独立宣言の聖地・バーディン広場やホー・チ・ミン廟、博物館などを開放しているほか、中国語のガイドブックを準備したり、主幹道路の脇に革命記念碑や彫像を新設したり、入場無料にしたりして、中国人観光客呼び込みを図っている。フランスは、鄧小平など中国人の学生数百人が留学していた小さな街・モンタルジを積極的にPRしている。ドイツは、周恩来がベルリンを訪問した際に宿泊した場所などを巡る観光商品を積極的に打ち出している。
査証(ビザ)センター増設や手続き簡素化
さらに多くの中国人観光客を呼び込むために、各国で便利なサービスを打ち出している。例えば、北京、上海、成都、広州に査証センターを設置する南アフリカは今年、瀋陽、武漢、西安、杭州、済南の5都市にも査証センターを新設した。同国が中国に設置する査証センターはこれで9カ所となった。
チェコ共和国は6月1日から、重慶、杭州、広州、昆明、深センの5都市に査証(ビザ)センターを新設した。英国も長沙、昆明、西安の3都市に、査証サービスセンターを新設して、中国人観光客の高いニーズを満たしたい考えだ。
今年4月から、スイスやフランス、スウェーデン、ドイツ、イタリアなどが相次いで中国で査証センターを増設し、オランダ、モロッコなどは中国人観光客を対象に査証発行要項を緩和して、「中国人観光客争奪戦」に加わっている。
中国の人気芸能人をイメージ大使に起用
スイスの観光局は今年4月28日、観光イメージ大使として中国の人気俳優・黄軒(ホアン・シュアン)を起用することを発表した。スポーツが好きな黄軒は、同観光局のターゲットグループとマッチしており、中国のスポーツ愛好家に素晴らしいスイスのアウトドアスポーツをもっと知ってもらうのが狙いだ。
またこれ以前にも英国観光局は「友好大使」として人気俳優・胡歌(フー・ゴー)を起用し、英国旅行のPRをしてもらうと発表した。同局は胡歌の影響力を借りて、中国のアウトバウンド市場を開拓するのが狙いだ。
また人気俳優の劉燁もイスラエルの観光イメージ大使に起用されている。
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