【新作】村上春樹「騎士団長殺し」が話題…一夜明けて読者がガチすぎる
作家・村上春樹さんの新作長編「騎士団長殺し」が日本で24日午前0時、新潮社から第一部と第二部の2冊同時刊行された。村上さんの新作長編は刊行されるたびに、日本で大ブームを起こし、日本の文化であり、社会現象ともなっている。
次回作への期待がいっそう高まる力作
騎士団長殺し :
第1部 顕れるイデア編
内容紹介
『1Q84』から7年――、
待ちかねた書き下ろし本格長編
その年の五月から翌年の初めにかけて、私は狭い谷間の入り口近くの、山の上に住んでいた。夏には谷の奥の方でひっきりなしに雨が降ったが、谷の外側はだいたい晴れていた……それは孤独で静謐な日々であるはずだった。騎士団長が顕(あらわ)れるまでは。
騎士団長殺し :
第2部 遷ろうメタファー編
内容紹介
物語はここからどこに
進んでいこうとしているのか?
その年の五月から翌年の初めにかけて、私は狭い谷間の入り口近くの、山の上に住んでいた。夏には谷の奥の方でひっきりなしに雨が降ったが、谷の外側はだいたい晴れていた……それは孤独で静謐な日々であるはずだった。騎士団長が顕(あらわ)れるまでは。
村上さんの新作長編が発売されるのは、2013年4月の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」以来約4年ぶりで、今回も大盛り上がりとなっている。「騎士団長殺し」の初版部数は第一部が70万冊、第二部が60万冊の計130万冊だ。
一部書店では同日午前0時からの販売となったため、23日の深夜には熱心なファンが寒空の下で、書店の前に列を作った。初版部数は第一部と第二部を合わせて計130万部に達し、日本の書籍市場に活気をもたらすに違いない。このように、村上さんの日本における影響力と人気は誰も超えることができない域に達している。
村上春樹の真の姿とは?
読書好きだった青春時代:ジャズバーのマスターとして自由気ままな日々
村上春樹は小さいころから無類の読書好きで、成長していくにつれて、西洋文学にのめり込むようになった。また、のちにしばらくの間、海外で暮らしていた経験もあるため、村上さんの作品には日本的な考えとは敢えてかけ離れた趣もあり、日本人作家でありながら、日本らしくない作品となっている。
村上さんは若い頃、普通の人とは違った自由気ままな日々を送っていた時期もある。大学を中退し、結婚をした後、借金をしてジャズ喫茶をオープン。そして毎日大好きなジャスを思う存分楽しんでいたという。そのジャズ喫茶は、昼間はコーヒーが飲める普通の喫茶店、夜はジャズバーというスタイルだった。
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日本を脱出:落ち着いて執筆できる環境を求めて海外に移住
1986年、村上春樹は妻とともにヨーロッパに移住し、3年ほど生活した。海外にいるときはほとんど世間とは隔絶した状態で、長編小説の執筆に没頭した。そして村上春樹は分厚い原稿用紙の束を持って日本へ帰国したのだが、このときはこの小説が爆発的なヒット作になるとは誰も予想していなかった。その小説が「ノルウェイの森」であり、村上春樹が一人の作家から日本を代表する作家に変わるきっかけとなった。
1990年秋、ヨーロッパから帰国した村上春樹は、落ち着いて執筆できる環境を求めて、再び荷物をまとめて日本を出て、米ニュージャージー州のプリンストンへ向かった。そこでの滞在期間中に、「国境の南、太陽の西」と「ねじまき鳥クロニクル」を執筆した。
文学賞よりも読者を大切にする村上春樹の考え方
村上春樹の最新作で初の自伝となった「職業としての小説家」の中国語版がこのほど、中国の大手編集プロダクション・新経典文化から出版された。面白いのが同書の中で、村上春樹が特に一章を設けて文学賞に対する態度について語っていること。
村上春樹が文学賞にこだわらない理由とは?
毎回インタビューで文学賞について聞かれると、村上春樹は、
一番大切なのはいい読者がいること。どんな文学賞や勲章、本に対する良い評価と比べても、自分のお金で私の本を買ってくれる読者ほど意義のある存在はない
といつも答えている。
このような返答は上品で礼儀正しい「形だけの発言」にも聞こえるが、村上春樹は、「何度聞かれようと、同じ答えを繰り返し言い続ける」としている。
作家になった後、村上春樹は、「何をどのように書いたとしても、最終的には人から何か文句を言われてしまう」という教訓を深く心にとどめているという。
他人からの評価について、村上春樹は、
25年前に執筆活動を始めてから、今日まで世間の人から、『村上春樹の作品は今の時代に追いついていない。彼はもう終わってる』と言われ続けている。
これにいちいちかまっていたら、身が持たなくなる。そのため、自分は『他人には好きに言わせておこう。どのみち悪口を言われるのなら、思い切って自分が書きたいものを書きたいように書いてしまえばいい』と自然に考えるようになった
と語っている。
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