【ふりがな付き】東日本大震災から11日でまる6年 いまだ「帰れぬ人」多く

死者ししゃ1万まん5893人にんと行方ゆくえ不明ふめい者しゃ2553人にんを出だした東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいの発生はっせいから6年ねん目めを迎むかえた11日にち、被災ひさい地ち各地かくちで追悼ついとう式典しきてんが行おこなわれた。

東京とうきょうで行おこなわれた「東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい六ろく周年しゅうねん追悼ついとう式しき」では安倍晋三あべしんぞう総理そうり大臣だいじんがその内閣ないかく総理そうり大臣だいじん式辞しきじで、「被災ひさい地ちに足あしを運はこぶたび、震災しんさいから6年ねんを経へて、復興ふっこうは着実ちゃくじつに進展しんてんしていることを実感じっかんする。インフラの復旧ふっきゅうがほぼ終了しゅうりょうし、住すまいの再建さいけんや産業さんぎょう・生業せいぎょうの再生さいせいも一いち歩ほずつ進展しんてんするとともに、福島ふくしまにおいても順次じゅんじ避難ひなん指示しじの解除かいじょが行おこなわれるなど、復興ふっこうは新あらたな段階だんかいに入はいりつつあることを感かんじる」と述のべた。

しかし、今いまなお12万まん3000人にんが避難ひなん生活せいかつを送おくったままだ。不自由ふじゆうな生活せいかつを強しいられている避難ひなん者しゃには、震災しんさいで家いえを失うしない、今いまだに家いえを新築しんちくしたり、借かりたりすることができないため、災害さいがい公営こうえい住宅じゅうたくやプレハブ仮設かせつ住宅じゅうたくで生活せいかつしている被災ひさい者しゃ、さらに、東京電力とうきょうでんりょく福島ふくしま第だい1原発げんぱつ事故じこの影響えいきょうで避難ひなん指示しじが出でているため避難ひなん生活せいかつを余儀よぎなくされている被災ひさい者しゃ、同どう事故じこの隠かくれたリスクを心配しんぱいして帰還きかんを控ひかえたり、苦労くろうしながらも別べつの土地とちで暮くらす被災ひさい者しゃたちが含ふくまれている。

こうした数すう多おおくの被災ひさいした「帰かえれぬ人ひと」たちは、悲惨ひさんな災害さいがいを経験けいけんしたことによる心こころの深ふかい傷きずに苦くるしみに加くわえ、現実げんじつの生活せいかつでも厳きびしい経済けいざい状況じょうきょうにさらされているほか、なかには避難ひなん場所ばしょでの嫌いやがらせやいじめに悩なやまされている人ひともいる。

こうした被災ひさい地ちの「帰かえれぬ人ひと」たちのなかでも最もっともつらい思おもいをしているのは、大だい地震じしん、津波つなみ、原発げんぱつ事故じこという前代未聞ぜんだいみもんのトリプルパンチを受うけ、地元じもとを離はなれて別べつの地域ちいきに避難ひなんしている福島ふくしま県民けんみんだ。原発げんぱつ事故じこの除染じょせん作業さぎょうが進すすみ、日本にっぽん政府せいふは順次じゅんじ避難ひなん指示しじの解除かいじょを行おこなっている。しかし、調査ちょうさによると、実際じっさいに帰還きかんするのは解除かいじょ対象たいしょう者しゃの1割わり前後ぜんこうとみられている。また、各かく自治体じちたいの人口じんこう推計すいけいによると、福島ふくしま第だい一いち原発げんぱつ周辺しゅうへんの8つの町まちと村むらの人口じんこうが4分ぶんの1程度ていどにまで大幅おおはばに減へる可能かのう性せいが指摘してきされており、合併がっぺい協議きょうぎが行おこなわれる見通みとおしだ。

原発げんぱつ事故じこ被害ひがい者しゃ団体だんたい連絡れんらく会かいの関係かんけい者しゃによると、他たの地域ちいきで避難ひなん生活せいかつを送おくり、帰還きかんを望のぞまない福島ふくしま県民けんみんの多おおくが子供こどもをもつ母親ははおやで、放射能ほうしゃのうの影響えいきょうによる健康けんこうへの不安ふあんなどを考慮こうりょして避難ひなん生活せいかつを続つづけている。しかし、無料むりょうで提供ていきょうされている公営こうえい住宅じゅうたくなども期限きげんが迫せまっており、厳きびしい現実げんじつにさらされているということだ。

またこうした実際じっさいの困難こんなんよりもさらに福島ふくしまの被災ひさい者しゃを悩なやませているのが、避難ひなん先さきでの嫌いやがらせやいじめだ。「原発げんぱつ避難ひなんいじめ」について、NHKなどが福島ふくしま県けんから避難ひなんした人ひとたちに行いったアンケート調査ちょうさでは、半数はんすう近ちかい回答かいとう者しゃが避難ひなん先さきなどで嫌いやがらせや精神せいしん的てき苦痛くつうを感かんじたことがあると答こたえた。

関係かんけいする社会しゃかい的てき地位ちいのある人々ひとびとからは多おおくの被災ひさい者しゃが依然いぜんとして困難こんなんな状況じょうきょうにさらされていることを忘わすれてはならないという声こえが上あがっているものの、時間じかんの推移すいいと共ともに、元々もともと豊ゆたかな暮くらしをしていたわけでもない各地かくちの人々ひとびとに、帰還きかんしようとしない被災ひさい者しゃを寛大かんだいに受うけ入いれるよう求もとめるのは決けっして容易よういなことではなくなってきている。このように、東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさいからの復興ふっこうは依然いぜんとして険けわしい道みちのりが続つづいている。

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