【ふりがな付き】日本の「注文をまちがえる料理店」、客が怒らない理由は？

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東京六本木(とうきょうろっぽんぎ)には、店員(てんいん)が注文(ちゅうもん)を間違(まちが)えることが日常茶飯事(にちじょうさはんじ)だが、利用客(りようきゃく)が少(すこ)しも怒(おこ)らないという奇妙(きみょう)な料理店(りょうりてん)がある。

この「注文(ちゅうもん)をまちがえる料理店(りょうりてん)」は外観(がいかん)もキッチンもいたって普通(ふつう)だが、他(ほか)と異(こと)なるのは笑(え)みを浮(う)かべた白髪(しらが)の店員(てんいん)4(よ)人(にん)。彼(かれ)らはみなアルツハイマー病患者(びょうかんじゃ)。注文(ちゅうもん)の際(さい)、彼(かれ)らは何度(なんど)も確認(かくにん)するが、すぐに忘(わす)れてしまう。そのため注文(ちゅうもん)を間違(まちが)えることが日常茶飯事(にちじょうさはんじ)となる。利用客(りようきゃく)も高齢者(こうれいしゃ)の不慣(ふな)れなサービスに我慢強(がまんづよ)く接(せっ)し、注文(ちゅうもん)を間違(まちが)えた場合(ばあい)もそのまま受(う)け入(い)れる。

店員(てんいん)の三川(みかわ)さんはかつてピアニストだったが、4(よ)年前(ねんまえ)にアルツハイマー病(びょう)にかかり、次第(しだい)に楽譜(がくふ)が読(よ)めず、鍵盤(けんばん)もわからなくなってしまうようになった。彼女(かのじょ)は利用客(りようきゃく)が食事(しょくじ)する中(なか)、一曲演奏(いっきょくえんそう)する。そしてうまくメロディーになっていなくても、皆(みな)から割(わ)れんばかりの拍手(はくしゅ)を贈(おく)られる。この料理店(りょうりてん)はハンバーグ、担々麺(たんたんめん)、オムライスの3種類(しゅるい)のセットを全(すべ)て1000円(えん)で提供(ていきょう)している。店員(てんいん)は半分以上(はんぶんいじょう)の利用客(りようきゃく)の注文(ちゅうもん)を間違(まちが)ってしまうが、気(き)を悪(わる)くする人(ひと)はいない。このアルツハイマー病患者(びょうかんじゃ)への関心(かんしん)を呼(よ)びかける料理店(りょうりてん)は6月(がつ)の開業以来(かいぎょういらい)、日本(にほん)の社会(しゃかい)から広(ひろ)く注目(ちゅうもく)されている。毎日満席(まいにちまんせき)で、食事(しょくじ)をした後(あと)に進(すす)んで運営資金(うんえいしきん)を寄付(きふ)する利用客(りようきゃく)も多(おお)いという。

日本(にほん)では現在(げんざい)、65歳以上(さいいじょう)の高齢者(こうれいしゃ)のうちアルツハイマー病患者(びょうかんじゃ)が約(やく)500万人(まんにん)いる。この数字(すうじ)は2025年(ねん)には700万人(まんにん)に達(たっ)する見通(みとお)しで、その割合(わりあい)は高齢者(こうれいしゃ)5人(にん)につき1(ひと)人(り)ということになる。日本(にほん)の各界(かっかい)もアルツハイマー病患者(びょうかんじゃ)に友好的(ゆうこうてき)で寛容(かんよう)な社会環境(しゃかいかんきょう)を作(つく)りだすよう呼(よ)びかけるためのさまざまなイベントを催(もよお)している。

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