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四川省成都市で地震発生61秒前に地震警報 過去にも何度か運用

人民網日本語版 人民网日文版 2019-06-18

 17日午後10時55分、四川省宜賓市長寧県でマグニチュード(M)6.0の地震が発生した。震源の深さは16キロメートル。

 今回の地震では、成都高新減災研究所が構築した大陸部地震警報ネットワークが、地震発生の10秒前に宜賓市に、61秒前には成都市にそれぞれ地震警報を出し、テレビ・携帯電話・コミュニティ・学校などにも同時に地震警報を出した。

 成都市に地震発生61秒前に警報を出した大陸部地震警報ネットワークは、実際には雅安地震や九寨溝地震といった地震でこれまでにも複数回警報を出してきた。

メディア報道によると、2013年4月20日8時02分、四川省雅安市蘆山県で、震源の深さ13キロメートル、マグニチュード7.0の地震が発生した。現地の地震感知器が検測した地震前兆情報を受け取った後、この警報システムは、発生28秒前に成都市に警報を出した。

2015年1月14日、四川省楽山市で、震源の深さ14キロメートル、マグニチュード5.0の地震が発生した。この警報システムは、政務微博(ウェイボー)「成都高新」を通じて、発生43秒前に成都市に緊急警報を出した。

2017年8月8日午後9時19分、四川省九寨溝でマグニチュード7.0の地震が発生した。警報システムは、地震発生40秒前に汶川市に、71秒前に成都市にそれぞれ緊急警報を出した。

2018年5月9日、成都市高新区にある60ヶ所のコミュニティにおいて、地震警報システムの運用がスタートした。

2019年5月2日、四川省雅安市蘆山県で、震源の深さ14キロメートル、マグニチュード4.5の地震が発生した。警報システムは、地震発生12秒前に成都市に緊急警報を出した。

地震警報は発表可能だが、予報は不可能

地震の専門家は、「緊急地震警報とは、地震の予測や予報ではなく、地震が発生した後、縦波と横波の時間差に基づき、地震波との『競走』であり、その競走に勝って、実際の揺れが起こるまでの時間を発表するシステムだ。地震発生の瞬間、速く伝わってくるのは、強度が比較的小さい縦波で、その速度は毎秒7キロメートル。より破壊力の大きい横波は、伝播スピードが縦波より遅い(毎秒約4キロメートル)ため、数十秒遅れて地表に伝わる。地下の深い場所で揺れを感知する地震感知器が、縦波を検測した後、そのデータがコンピュータに届けられ、コンピュータは直ちに、マグニチュード・震度・震源地など大まかな情報を算出する。そして関連部門は、横波が地表に到達する十数秒前までに、テレビ放送やラジオで警報を発表する。テレビ放送とラジオが依拠しているのは電磁波であり、電磁波が伝わるスピードは、横波のスピードよりかなり速い。効果的な地震警報システムの運用は、強大な地震監視測定システムを拠り所としている」と説明している。

一方で、「地震警報システムの原理に基づき、システムが提供する『対応のための時間』には限度がある。この時間内に、我々は、高速鉄道列車を停車させ、エレベーターの一時使用停止・重要機器・設備の保護やシャットダウン・人々の安全エリアへの避難誘導などをできる。とはいえ、地震警報の効果を過度に誇張しないでほしい」と指摘した。

さらに専門家は、「これはまた地震警報システムの原理を反映していると言える。つまり、震源地に近ければ近いほど、警報の発表までの時間は短く、震源地から遠いほど、その時間は長くなるが、それに伴い緊急速報の意義も低くなる。また、地震警報は、『スピード』が求められるため、地震の大きさや震源地など情報に対する判断は、必ずしも完全に正確だとはいえない。このため、学界における地震警報に対する意見は、現時点でも一致していない。賛成側は、『地震による損失を効果的に免れることができる』と主張する一方、反対側は、『システムは、長期にわたるマンパワーや物資の投入を必要とするが、その効果は限られている。長期的スパンで見ると、建物の耐震設計を強化することが、地震災害を防ぎ、自らを救うためにはより効果的な方法だ』との見方をしている」とした。

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