PCR検査をめぐる“アメとムチ”、かたや違反で拘留、かたや奨励金
"大白"を罵るなどした3人に勾留措置
PCR検査の実施をめぐる光と影ーー。雨にも負けず、風にも負けず、秩序を保った運営維持に尽力する"大白"たちと、彼等の呼びかけに応じる市民。そんな良好な関係を保つために時として"アメとムチ”の使い分けが行われることもある。
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まずは"ムチ"について見てみると、北京市公安局の微博公式アカウントは5月14日、ここ数日中に実施したPCR検査で秩序を乱す行動に出た市民3人に行政処分を行ったと発表した。以下、概要を紹介しよう。
5月10日17時頃、王某某(男、42歳)は飲酒した状態で、順義区の高麗営鎮で実施したPCR検査に参加。その際、順番待ちの列どおりに並ばず、作業人員が制止するのも聞かず、相手をののしるなどの行為に出た。検査場の秩序を乱す違反行為を犯した同人は、現在、順義公安分局で法にもとづき拘留されている。
5月12日15時頃、周某某(男、49歳)は海澱区黄庄のPCR検体採取所で、ソーシャルディスタンスを保つように注意する作業員に対して不満をぶつけ、作業員をののしるなど悪影響を及ぼす行為に出た。同人は海澱公安分局で法にもとづき拘留されている。
5月13日10時頃、黄某(男、54歳)は大興区黄村鎮一のPCR検体採取所で検査を受けた後、誘導ラインにしたがって現場を離れず、防疫物資が置かれた場所の近辺にとどまり、作業員から注意されても取り合わず、罵詈暴言をぶつけるなど検査業務の実施に悪影響を与えた。現在、同人は大興公安分局で法にもとづき拘留されている。
「PCR検査5回で100元をゲット!」(江陰市)
北京市で採用された「ムチ」の政策とは対照的に、「アメ」の政策で脚光を浴びているのが江蘇省無錫市の江陰(県級市)だ。同市ではこのほど新型コロナウイルスのクラスターが発生し、1日で50人近くの陽性者が確認されるなど警戒が強まっている。そこで、市政府は、住民のスクリーニング検査を徹底するために、参加者に奨励金を支給するという奇策に打って出たのだ。
キャンペーンで掲げた奨励金の額は100人民元。支給対象となるのは5回連続でPCR検査に参加した人で、決して大きな金額ではない。それでも、この粋な計らいに全国のネットユーザーからは羨望の声が寄せられることとなった。
ちなみに、第7回国勢調査速報によると、江陰の居住者人口は177万9,515人。2021年、GRP総額が4580億3300万元に達し、無錫エリアでトップの座にあるほか、5年連続で中国1位の工業県に選ばれている。中国企業トップ500(500強)に同市から11社が選出されているのも注目に値する。
江陰の政策は、一見すると経済的なアドバンテージがあるからこそできることともいえる。しかし、PCR検査の効率を向上させることで、かえってダイナミック・クリアリングの達成につなげる道筋がつくのであれば、かえって費用対効果は高く、結果敵に財政面での負担を抑えることにもなる。
じつは、「アメ」の政策で注目を浴びたのは江陰市は初めてではない。深センや上海が現金のみならず、iPhoneなどの高額用品を用意して、ワクチン接種のキャンペーンを行ったのも記憶に新しい。
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昨年末には、陽性申告をした人、ワクチン接種を受けた人に奨励金を支給した地域もあり、注目を集めた。以下、主な事例を紹介しよう。
●2021年12月2日 黒龍江省ハルビン市 :
活性PCR検査が陽性だった場合、1万元
●2021年12月4日 黒龍江省宜春市:
伝染病予防と制御の奨励金、最高5万元
●2021年12月5日 遼寧省阜新市:
活性PCR検査結果が陽性だった場合、2万元
●2021年12月6日 河南省南陽市:
疫病予防と制御の手がかりの報告に対する報奨、最高1万元
ただし、奨励金制度についてはネットユーザーの間でも賛否両論がある。奨励金を得るために、故意にウイルスに感染する人、制度の隙間をかいくぐって利を得ようとする人も現れかねないと危惧する声も聞かれる。(編集:耕雲)
北京3人核酸検測不遵守防疫秩序被拘#
每日经济新闻 2022-5-14 16:58
https://weibo.com/1649173367/LsYRA9RXM