パリバゲットに罰金58万元、封鎖時の上海で無許可生産
ロックダウン中に無許可生産
韓国系ベーカリーチェーンの「パリバケット・Paris Baguette(巴黎贝甜)」の関連会社である上海艾丝碧西食品有限公司がこのほど、食品安全法違反で上海市市場監督管理局から58万人民元余の罰金を課されていたことがわかった。
同社は上海が事実上のロックダウンに入った際、景联路759号にある工場を閉鎖、一方で防疫措置のために自宅に戻れない一部スタッフを同工場にあるトレーニングセンターで一時的にやり過ごすように手配した。スタッフらは同研修施設にある製パン機器と物流センターから届けられた原材料を使用して自家用パンを製造していた。
その後、封鎖管理期間が長引き、周辺の社区(コミュニティ)で菓子製品のニーズが増大したの受けて、同社は4月23日から26日にかけて上記研修センターで菓子食品製造・営業活動に従事する。だが、当該住所の施設は食品製造・営業許可に関わる資格を取得していなかった。
そのため、同社の行為が無許可による食品製造・運営活動に属するとみなされ、物品や違法所得である5万8500元の没収、罰金58万5000元の徴収という処置がとられた。
ネットでは同情の声も
この行政処分に対してネットでは同社を同情する声が少なくない。
「物資の供給が途絶えた期間に、幾多の家庭にパンを送り届けた“勇敢な”行為に罰金というのは理不尽だ」
「配給物資の横流しや横領、遼寧省からの支援物資の廃棄等、物資供給の混乱を招いた様々な問題が深く調査されていない」
「本当に食べるものが買えずに困ったときにパンが手に入るのは有り難かった」
「あちらを立てればこちらが立たず。法外な値で料理を提供していた業者にはお咎めなしだ」
等、処置の不公平さを指摘する書き込みが見られた。
ただし、「すべては利益のためであり、調査と対処が遅れれば、さらに味を占めようとしただろう」と冷ややかな指摘もある。「他のベーカリー店も便乗し、物資供給事情はもっと混乱を来たしただろう」とし、同社の肩を持つのは適当でないとする見解だ。
同社に批判的なコメントには、2年前、従業員がマスクや手袋を着用せずに作業に携わり、行政処分を受けていた事例にも触れられていた。