[書訊] 黄徳寛等著、藪敏裕監訳:《古漢字発展論》
漢字文化研究叢書 2
古漢字発展論
[著] 黄 徳寛 (清華大学教授 他)
[監訳] 藪 敏裕 (岩手大学教育学部教授)
[訳者] 石川 泰成 鋤田 智彦 宮本 徹 劉 海宇
定価13,200円(本体12,000円)
ISBN 978-4-8433-6486-4 C1387
A5判/上製/カバー
刊行年月 2023年06月
商代前期より秦の時代における古漢字を具体的に分析し、その発展史の理論的枠組みと評価基準を確立する
発行 樹立社
発売 ゆまに書房
「漢字文化研究叢書」とは
漢字の起源、字体・字形の変遷、音の変化などの中国の漢字研究、および書道芸術、漢字と民間習俗など近年の中国における漢字文化に関する研究の成果を広く日本語で読める形で順次刊行するものです。
目次
『古漢字発展論』主要目次
● 第1章 漢字発展研究をめぐる幾つかの問題
● 第2章 商代文字 上
1、商代前期陶文資料のいくつかの発見
2、商代前期の漢字発展に関する議論
● 第3章 商代文字 下
1、殷商文字の形体
2、殷商文字の構造
3、殷商文字の文字使用の考察
● 第4章 西周文字
1、西周文字の形体の発展
2、西周文字の字形の変遷
3、西周文字の構造
4、西周文字の文字使用
● 第5章 春秋文字
1、春秋文字形体の発展
2、春秋文字の構造
3、春秋期の文字使用
4、春秋文字の地域特徴
● 第6章 戦国文字
1、戦国文字の形体の変化
2、戦国文字の字体構成の発展
3、戦国文字の文字使用
4、戦国文字の地域的特徴
● 第7章 秦系文字
1、秦系文字の形体変遷
2、秦系文字の構造
3、秦系文字の文字使用
4、秦系文字による西周文字の継承と発展
5、秦系文字の規範と影響
● 第8章 古漢字の発展に関する基本認識
1、古漢字期における漢字体系発展の基本情況
2、古漢字期における字体発展の基本的傾向
3、古漢字期における字体構成法の発展
4、古漢字期における漢字の使用と規範
『漢字発展通史』を作り上げるために 黄 徳 寛
この『古漢字発展論』は、私の漢字発展研究の成果の一つである。他地域から影響を受けることなく使用され続けている世界唯一の古典文字体系として漢字は数千年に亘って継承され続けている。そして漢字の発展変化の歴史とその法則についての研究は、中国文字学の最重要課題とすべきであると私は考える。中国歴代の文字学者は、漢字の発展についても多くの研究成果を残している。しかし、資料の不足や認識の限界のため全体から見ればこれらの成果は一貫性がなく、その中には漢字発展の歴史からの実状とかなり隔たっているものもある。これらを鑑みつつ、私は長年一貫して漢字発展研究に関心を持ち、これと関連する漢字研究の学術史及び漢字理論に関する諸課題の研究を行ってきた。
私の漢字発展研究の最終目標は、漢字の古今の歴史をまとめた『漢字発展通史』を作り上ることである。本書はこの目標を実現するために行ってきた成果の一部である。とはいえこの著作は基本的に私の漢字発展研究に対する理論認識を代表するものであり、全面的な理論総括であり具体的な実践でもある。
(『古漢字発展論』日本語版序言より抜粋)
本文轉載自“NADPH”微信公衆號,特此致謝!