【ブランド】無印良品が中国ではプチぜいたく品に 値下げしても閑古鳥
日本の雑貨店ブランド・無印良品は8月末より28日間にわたるセールを行い、一部の商品の割引を実施したほか、いくつかの商品に関しては10-31%下げた新価格設定を行った。無印ファンなら、最大規模の値下げであることを知っているはずだ。しかし、実際に店舗に行って取材してみると、客はまばらで、割引商品の「争奪戦」は見られなかった。北京服装学院市場マーケティング学部の趙洪珊・学部長は、「消費者の心理が成熟し、価格に敏感に反応して購入する人が減っていることを示している」と分析している。
2014年から今に至るまで、無印良品は、5度に分けてさまざまな種類の商品を10-20%ほど値下げした。無印良品が値下げをすることはあまりないため、そのうちの数回は特に効果が高く、無印ファンが殺到した。しかし、今年の値下げには、ファンがあまり反応を示していない。業界関係者は、「何度も値下げするだけでは、中国の消費者を引き留めておくことは難しいのではないか」と指摘している。無印良品の昨年の中国市場における売り上げは、第一四半期(1-3月)38.6%増、第二四半期(4-6月)22.6%増、第三四半期(7-9月)15.9%増、第四四半期(10-12月)9.7%増と、少しずつ増加幅が縮小した。
市場の反応が薄い原因について、北京服装学院市場マーケティング学部の趙洪珊・学部長は、「今の消費者は経験豊富で知識も広いため、気持ちが成熟している。そのため、価格に敏感に反応して購入する人が減っている。また、業界全体の状況を見ると、全ての実店舗の状況と同じく、無印良品も来店客が大幅に減っている」と分析している。
無印良品が大幅値下げを行った理由について、趙学部長は、「主に低価格商品を扱うライバルとの競争があるため、無印良品は商品のコストパフォーマンスを向上させて客を引き留めようとしている。無印良品は現在、2つの逆風に直面している。一つは、ユニクロなどの低価格の日系実店舗の存在。無印良品の服の特徴は、上品な色、天然素材、シンプル、快適、オールマイティ。この点に関して、ユニクロも良く似ているが、無印良品よりも大分安い。もう一つは、インターネット上に無印良品のコピー商品がたくさん存在すること。無印良品の商品のモットーはシンプルで、コピーされやすい」と指摘する。
競争が熾烈であるものの、無印良品は中華圏の市場の成長を見込んでいる。無印良品を展開する親会社・良品計画が今年4月に発表したデータでは、中国大陸部や台湾、香港などの東アジア地域の業績が力強い伸びを見せており、売上高が830億円と、5割近くも増えた。うち、中国大陸部の売上高の増加が著しく、服や化粧品などの売り上げが伸び、食品の売り上げも増加している。売上高からすると、東アジア事業のうち約6割を中国市場が占めている。その他、中国の店舗数も160店に達している。
無印良品は、日本では低価格路線を歩んでいるものの、中国では「プチぜいたく品」になっている。無印良品の人気商品・体にフィットするソファを例にすると、中国では1200元(約1万8千円)で、25%オフになることもあるものの、900元(約1万3500円)のカバーも買わなければならない。しかし、日本のオフィシャルサイトを見ると、その価格は9800円で、25%オフなら、7350円ということになる。
全く同じ商品であるのに、中国ではなぜ2倍近い値段で販売されているのだろう?無印良品のアートディレクターは以前、メディアの取材に対して、「その主な原因は、中国の税金や輸送コストが非常に高いため。国内間の輸送費が国内から国外への輸送費よりさらに高い。加えて、さまざまなコストが重なり、最終的に日本より最低でも50%高くなってしまう。もし、大都市の店舗の家賃や人件費などを含めると、コストはさらに高くなる」と説明した。
無印良品は、加工・生産拠点を中国や人件費のより安い東南アジアへ移転して、コストダウンや商品のコストパフォーマンスの向上を図っている。そのほかに、一部の手間を省いたり、ラッピングの簡素化や物流の改善を行うことで、商品の値下げに取り組み、無印良品がもっと身近な商品になるように努力している。
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