【ふりがな付き】日本の古典小説「八犬伝」中国語版が出版

19世紀初(せいきはじ)め、江戸時代(えどじだい)の文壇(ぶんだん)では「水滸伝(すいこでん)」ブームが興(おこ)り、「水滸伝(すいこでん)」を模倣(もほう)、あるいはアレンジした小説(しょうせつ)が多数出回(たすうでまわ)った。

当時(とうじ)、戯作者(げさくしゃ)の曲亭馬琴(きょくていばきん)（滝沢馬琴(たきざわばきん)）は建部綾足(たてべあやたり)の「本朝水滸伝(ほんちょうすいこでん)」に啓発(けいはつ)されて、「水滸伝(すいこでん)」や「三国志演義(さんごくしえんぎ)」、「西遊記(さいゆうき)」などの中国(ちゅうごく)の小説(しょうせつ)にも引(ひ)けを取(と)らないような作品(さくひん)を書(か)き上(あ)げたいという野望(やぼう)を抱(いだ)いた。「八犬伝(はっけんでん)」は、そんな熱(あつ)い思(おも)いから、28年(ねん)の歳月(さいげつ)をかけて誕生(たんじょう)した、歴史(れきし)や任侠(にんきょう)、神(かみ)と悪魔(あくま)の対立(たいりつ)の要素(ようそ)が一体(いったい)となった大作(たいさく)。

「八犬伝(はっけんでん)」は正式(せいしき)には「南総里見八犬伝(なんそうさとみはっけんでん)」という題名(だいめい)の日本文学史上(にほんぶんがくしじょう)でも珍(めずら)しい長編大作(ちょうへんたいさく)で、今(いま)もなお日本文化(にほんぶんか)に深(ふか)い影響(えいきょう)を与(あた)えている、まさに名実(めいじつ)ともに日本文化(にほんぶんか)におけるトップレベルのIP（知的財産(ちてきざいさん)）と言(い)える。「ドラゴンボール」や「犬夜叉(いぬやしゃ)」、「シャーマンキング」など多(おお)くの人気(にんき)アニメ・漫画作品(まんがさくひん)が八犬伝(はっけんでん)の影響(えいきょう)を受(う)けて誕生(たんじょう)しているだけでなく、八犬伝(はっけんでん)をもとにした文学作品(ぶんがくさくひん)、映画(えいが)、ドラマ、舞台劇(ぶたいげき)は枚挙(まいきょ)にいとまがない。

このほどその中国語版(ちゅうごくごばん)が浙江文芸出版社(せっこうぶんげいしゅっぱんしゃ)から出版(しゅっぱん)された。中国語訳(ちゅうごくごやく)は、日本古典文学(にほんこてんぶんがく)の研究(けんきゅう)に長年携(ながねんたずさ)わってきた南開大学日本語学科(なんかいだいがくにほんごがっか)の李樹果教授(きょうじゅ)が手掛(てが)けた。李教授(きょうじゅ)は、「これは、新境地(しんきょうち)を切(き)り開(ひら)いた日本(にほん)の小説(しょうせつ)で、中日文化交流(ちゅうにちぶんかこうりゅう)の結晶(けっしょう)と言(い)ってもいいだろう」とコメントしている。

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