上海浦東で建設進む“双子山”、“登頂コース”が完成間近
上海には山がない。もちろん、市中心部の徐家匯から南西に34キロまで移動すれば、東アジア最古の教会である「天主教堂」や中国初の天文台を有する「佘山」がある。天然の地勢からいえば上海の“海抜最高地点”だといわれる同山の標高はわずか約100メートル。東京の高尾山に比べると6分の1だ。
そもそも東京といえば、山の手が谷によって分断された台地群から成っており、坂道が多い都市だ。対して上海では広大な平地がどこまでも続く。したがって、起伏がある道を歩くことなど日常的にはほぼ体験ができない地勢となっている。
◆年末にも完成予定の“双子山”
そんな広大な平野地帯の上海で来年、二峰の人工山(双子山)が“山開き”を予定している。場所は浦東新区の万博記念公園。山の建設は2020年10月に始まり、すでに輪郭が目視できるようになった。工事は順調に進んでおり、2024年には同公園南エリアの目玉スポットとしてオープンする見通しだ。山頂からはららせん状に渓流が流れ、滝も設置される予定であり、一連の“景観”を伴ったハイキングコースが年内にもお披露目となりそうだ。
◆何メートル以上が山?
とはいえ、わずか48メートルで山と呼ぶのは牽強ではないかと突っ込みを入れたくなるのは無理もない。ちなみに日本にある「双子山」は長野県佐久市の最南端に位置し、標高は2223.8mもある。
英国の国土測量を担っているオードナンス・サーヴェイ(Ordnance Survey = OS)によると「山は2,000フィート=609.6メートル以上の高さ」と定義されており、それ未満は「丘」と見なされるのがオチだ。
◆中国で最も低い山は?
丘は山よりも低く、傾斜がなだらかなものを指す。ただし、その定義となると極めてファジーというのが実状だ。日本で「最も低い山」がどこにあるかといえば宮城県仙台市宮城野区だ。同地にある日和山(ひよりやま)の標高はなんと3メートルとなっている。
これに続くチビ山は大阪市港区の天保山公園にある天保山(てんぽうざん)でこちらも標高はわずか4.53メートル。さらに、古来から背丈の低さ「日本一」とされてきた弁天山(べんてんやま、徳島県徳島市方上町)は天然の山だ。標高は6.1メートルだという。
一方、“中国で最も背丈が低い山”として知られているのが山東省寿光市にある「静山」だ。標高は48m。ただし、山の大部分は埋没しており、60センチほどの岩石が地上に顔を見せているだけであり、せいぜい床几ほどの高さしかない。世界最高峰であるエレベスト(チョモランマ)を有する中国に、まさか背丈の低さで日本と競える山が存在するとは思いもよらなかった。(耕雲)
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最新!上海人在黄浦江畔造的48米双子山,开放时间明确!山顶观景平台来了,最佳打卡点公布→