QQオワコン説は本当か?誕生25年目でいまだ6億ユーザーを維持
テンセントが運営するQQが産声を上げてから四半世紀が経過しようとしている。微信(Weixin/Wechat)の勢いに押され、“オワコン化”さえ囁かれるものの、いまだ6億人のユーザーを抱える巨大プラットフォームだ。とくに若者を中心に根強い人気を誇っている。
QQオワコン説の背景
世界のデジタルトレンドに関する調査を行うDataReportalの報告によると、中国の大手SNSであるQQは前年に比べ1600万人ものアクティブユーザーを失ったとされる。一方、微博(Weibo)は月間アクティブユーザー数が6億人を超えた。Douyin(TikTokの中国版)などのショート動画アプリの台頭もQQにとっては脅威となっている。
こうした背景もあってか、「QQはもはやオワコンか?」と題されたネット記事が注目を集めた。テンセントが微信(Weixin/Wechat)の勢力拡大に力を注げば注ぐほど、QQにとっては不利な状況におかれる。それだけに“QQオワコン説”は現実味を持ってくる。
Weixinにはない魅力も
しかし、若い世代、特に「00後」のユーザーからの支持は厚く、QQの提供する多様な機能と自由度の高い社交環境が高く評価されている。QQは、ファイル転送の便利さやゲーム連携など、Weixinにはない魅力も備える。また、ビジネスシーンにおいてもWeixinのグループ機能を上回るケースがあり、その有用性が指摘されている。
たとえば、グループ機能ではWeixinよりも重宝する場合がある。Weixinのグループが参加メンバーの上限を500人としているのに対して、QQは最大3,000人と桁が違う。多人数で構成されるグループをつくり、大規模な情報伝達と交流を可能にしている。
たかが6億、されど6億?
QQは、インターネットの黎明期に、中国版ICQ(アイシーキュー)として登場し、今年で25年目を迎える。その間、“中国版Spotify”ともいうべく「QQ音楽」や、ソーシャルゲームの先駆けともいえる「QQ農場」など革新性を物語るサービスを次々と打ち出してきた。オンライン決済の「QQ幣」は、現在のWeixinPayを含むテンペイ(財付通)の源流にあるサービスでもある。
Weixinとの間には確かに格差があるものの、5億9000万人という月間アクティブユーザー数は依然として大きい。日本市場で圧倒的なシェアを持つLINEのユーザー数は1億に満たないのだ。ちなみにWeixinユーザーにとってもQQのアカウントを所持していると便利なこともある。本日配信のトップ記事でも取り上げているので、この機会にQQの値打ちを再考する機会にしていただけたらと思う。(編集:耕雲)