気になる中国【三坑sānkēng】カルチャーとは？

兰庭Channel 兰庭Channel 2021-06-04

　「三坑」とは中国民族伝統の服装「漢服」、日本の女子高生（いわゆるJK）の制服「JK制服」、そして「ロリータ衣装」の３つを指す。これらは以前から特定のグループ内で好まれる服装だったが、ここ数年は若者世代を中心に広く流行している。人気が急上昇した2019年には淘宝の過去1年間の「三坑」服売上が100億元を超え、JK制服は淘宝が公開した「2020年10大商品」にも選ばれている。

写真（チャイトピより）

【三坑少女 sānkēngshàonǚ】

　ハマってしまうとお金や時間を惜しみなくつぎ込むことになるというニュアンスを込めて「三坑」（3つの穴・罠）と呼ばれている。「三坑少女」とは「三坑」ファッションに夢中になる女性らを指す。

人気の背景とは

　「三坑」が人気を集める背景には、特定の趣味を持った人々が集まるサークル文化の浸透や、個性を求め、自分の趣味にお金や時間を費やす若者ファッションの台頭、そして親世代にそうした個性を容認する雰囲気が広がったことが挙げられる。

汉服（hànfú）：漢服

　“国潮”（中国の伝統的な要素を取り入れたトレンド）の影響もあり、愛好者は毎年10％のペースで増加している。愛好者の多くは90後（1990年代生まれ）、95後（95‐99年生まれ）、00後などの若者で、平均年齢は22歳から34歳。「十三余」、「重回汉唐」が代表的なブランド。

JK制服

　「三坑」の中では最も安価な部類になる。大都市の18〜24歳くらいの学生という比較的消費意欲の強いグループの間で流行していたものの、最近では低年齢化も進んでいるという。JK制服には、シャツや合服、セーター、ワンピース、ブレザー、ネクタイやリボン、カバン、ローファーなどの靴といった付属品もあり、単品やセットで購入ができる。シンプルでコーディネートしやすいという点が、多くの若い女性の間で人気となっている理由だ。「兔缝缝」が代表的なブランド。

洛丽塔（lùolìtǎ）: ロリータ衣装

姫系ロリータのほか、クラシカルロリータ、ゴシックロリータなどのジャンルもある。流行は主に経済が発展した北京市、成都市、重慶市などの大都市に集中しており、年齢層は16〜25歳くらいで、高校生から若い世代の社会人が中心。アニメ好きの人たちがコスプレ感覚で着用していることが多いそうだ。「樱洛芙」が代表的なブランド。

写真（淘宝より）

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