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日本年轻人为何越来越倾向不结婚?

2018-01-06 沪江日语 沪江日语

不自由でなければ自由を感じられないものです。私たちは制約 があると不満やストレスを感じますが、それがあるからこそ自由の獲得への欲求が高まります。逆に言えば、自由にさせられると不満もストレスもない分、自由のために行動するという意欲そのものを失うのです。
如果没有失去过自由就不会感受到自由的存在。我们有了束缚就会感受到不满和压力,正是因为如此想要获得自由的欲望才会越来越高。反过来说,身处自由的状态就不会感受到不满和压力,从而失去为了自由而行动的欲望。

結婚にも同じことが言えます。結婚が自由化されると結婚意欲を減退させ、未婚化を推進してしまうのではないか。今回はそんなお話をします。
可以说结婚也是同样的道理。因为婚姻自由,人们结婚的欲望也就减弱了,使得未婚人数进一步增加?这回我们就此事来聊一聊。



結婚の自由化が未婚化を推進している?
婚姻自由使未婚化进一步扩展?


未婚化の原因は決してひとつではなく、さまざまな要因が複層的に影響しあって起きています。が、巷(ちまた)で言われているような「未婚化は若い男の草食化 」などではないということだけは断言できます。改めて男性の交際相手がいた比率の推移をご覧ください。
未婚人数增加的原因绝不是只有一个,而是受各种因素的多重影响。但是,可以断言的是并非像民众所说的“未婚化是由于年轻男子的草食化”等等。那么请重新看一下男性交往对象的比例推移。



少なくともここ30年間、男の交際率は変わっておらず、時代によって交際率が変化したなんてことは統計上はまったく言えません。むしろ、自発的に恋愛ができる男の割合なんてものはいつも3割にも満たず、7割の男には交際相手はいなかったんです。最近の若者が「恋愛離れ」しているのではなく、バブル 時代に青春を過ごした今50代以上の男性も、肉食系のイメージで見られがちですが、例外ではありません。
至少在这30年中,男性的交往率没有很大变化,统计数据上完全没有体现出交往率随着时代的变化而直线下降。倒不如说,能够自发恋爱的男性比例一直未满三成,七成的男性是没有交往对象的。最近的年轻人并没有“告别恋爱”,在泡沫时代中度过青春的50岁以上的男性虽然容易被认为是肉食系,但从数据上看并没有什么特别。



「それはおかしい。かつてはみんな結婚できていたんだから」というご指摘もあるでしょう。確かにそのとおりです。ですが、だからといってかつての男が積極的だったという証明にはなりません。
也有人指出“这太奇怪了,以前大家不都是结婚了的嘛”。确实如此,但这并不能证明以前的男性更为积极。

日本はかつて、皆が結婚する皆婚社会でした。
国勢調査が始まった1920(大正9)年からのデータを振り返ってみても一貫して生涯未婚率は1990年まで5%以下で推移しています。この驚異的な婚姻率が1875年(明治8年)にはまだ3340万人だった人口を、1967(昭和42)年頃には1億を突破させるほど急成長させた原動力でもあります。しかし、それはいわば国家的な「結婚保護政策」のおかげだったことを認識したほうがいいと思います。
日本曾经是一个全员都能结婚的社会。
回顾一下从1920年(大正9年)开始的国势调查数据可知,到1990年为止一生未婚(指截止50岁以前还未结婚)率一直在5%以下。这个不可思议的婚姻率也是1875年(明治8年)还不到3340万的人口在1967年(昭和42年)前后突破1亿,这样急速增长的原动力。但可以说这得益于国家的“婚姻保护政策”。

近代日本の婚姻制度を成立させたのは1898(明治31)年に公布された明治民法です。誤解されている方も多いですが、ここで定められた結婚のあり方というのは、それまでの日本人庶民の結婚観とは大きく異なります。時代劇や歴史小説などでは主に武家の話しか出てこないため、すべての日本人が武家様式の結婚生活をしていたと思われがちです。しかし、武家人口は江戸時代の戸籍資料によると、総人口に対してわずか7~8%のマイノリティです。
1898年(明治31年)颁布的明治民法中确立了近代日本的婚姻制度。虽然被很多人误解,但民法中所规定的结婚方式与当时日本百姓传承已久的结婚观有着巨大的不同。由于时代剧和历史小说中只会出现武士的故事,所以很容易让人以为所有的日本人都过着像武士一样的婚姻生活。但是,根据江户时代的户籍资料显示,武士人口占总人口的7~8%,仅仅是少数。

現在の私たちの祖先のほとんどが農民や町人であったわけで、日本人=武士という考え方は間違いです。当時の庶民たちの結婚は、夫婦別姓であり、ほとんどの夫婦が共働き(銘々稼ぎという)でした。何より、夫婦別財であり、夫といえども妻の財産である着物などを勝手に売ることはできなかったのです。
现代人的祖先基本上是农民和商人,所以把日本人等同于武士的这种想法是错误的。在当时百姓们的婚姻中,夫妇各自有各自的姓,大部分的夫妇都有各自的工作。特别是,夫妇财产分开,即使是丈夫也不能随意卖掉作为妻子财产的和服等物品。


要するに、明治民法が制定されるまでの日本人庶民の結婚とは、限りなくお互いが精神的にも経済的にも自立したうえでのパートナー的な経済共同体という形に近かったわけです。別の見方をすれば自由でもあり、夫婦の関係は対等でした。
也就是说,明治民法确立之前,日本百姓的婚姻无限接近于一种:双方无论是精神上还是经济上都在自立基础上的配偶式经济共同体。从另一种观点来看就是有自由的,夫妇关系是对等的。


明治民法により妻の経済的自立と自由が奪われることに
明治民法剥夺了妻子经济上的独立和自由


それが、明治民法により、庶民の結婚も「家制度」「家父長制度」に取り込まれることになり、主に妻の経済的自立と自由が奪われることになります。夫は外で仕事、妻は家事と育児という夫婦役割分担制もここから「あるべき夫婦の規範」として確立していきます。
这是因为在明治民法中,百姓的婚姻也受到“家族制度”“家父长制度”的影响,基本上剥夺了妻子在经济上的独立以及人身自由。丈夫在外工作,妻子在家料理家事照顾小孩的这种夫妇责任分担制也作为“夫妇应该遵守的规范”被确立起来。



それにより、女性にとって結婚とは生きるための就職のような位置づけとなり、基本的に結婚をしないという選択肢はありませんでした。そこで大いに機能したのが「お見合い」という社会的なマッチングシステムなのです。実は、これこそが結婚保護政策の最たるものです。

这样一来,对于女性来说结婚就是一种为了活下去而找到的工作,基本上没有不结婚这个选项。在这里起巨大作用的是“相亲”这种社会性协调机制。实际上,这才是结婚保护政策最具代表性的产物。


お見合いとは、個人の恋愛感情より、家と家という2つの共同体を結びつけるための機能が優先されるものであって、ある面では個人の自由がないと言えます。しかし、むしろ個人最適の選択によらず、強制的な全体最適を目指したシステムだからこそ、皆婚が実現できたともいえます。

相亲就是比起个人的恋爱情感,优先结合家与家这两个共同体,从某方面来说就是没有个人自由。但是,正因为有这种不考虑个人最佳选择,强制性地以全体最佳为目标的制度,才实现了全员结婚。

お見合い結婚と恋愛結婚の比率の推移をあらわしたグラフを見るとお見合いの衰退は顕著です。戦前戦後時期は、お見合い結婚は全体の7割を占めていましたが、今では5%程度しかありません。しかもこれは結婚相談所きっかけ(約2%)を含みますので、伝統的なお見合い結婚はたった3%程度しか存在しないことになります。そのかわり恋愛結婚が87.7%にまで伸長しています。
我们来看一下表示相亲结婚和恋爱结婚的比例推移的图表就可以发现,相亲结婚的比率下降是非常明显的。战前战后时期,相亲结婚占全体的70%,但现在只有5%左右,而且这还包含了婚姻介绍所的介绍(约2%),所以传统的相亲结婚实际上只有3%。而恋爱结婚增长到了87.7%。

恋愛結婚がお見合い結婚を上回る分岐となったのは1960年代後半でした。生涯未婚率が上昇し始めたのは1990年代以降です。それよりも30年以上も前に衰退したのであれば、お見合い結婚減は未婚化には無関係だと思いますか?そうではありません。1965年に25歳だった適齢期の男性が、生涯未婚の判断基準となる50歳になった時が1990年です。つまり、お見合い結婚比率が恋愛結婚比率を下回った第1世代は、そのまま生涯未婚率上昇の第1世代となったと言えるのです。
恋爱结婚比例首次超过相亲结婚比例是在20世纪60年代的后半期。生涯未婚率开始上升是在20世纪90年代以后。如果在此之前的30多年里都在下降的话,是不是可以认为相亲结婚数量的减少和未婚化没有关系的呢?并不是这样的。1965年正值25岁适龄期的男性,到生涯未婚的判断基准50岁是在1990年。也就是说,相亲结婚比率低于恋爱比率的第一代,成为了生涯未婚率上升的第一代。



職場婚の減少も未婚化に影響
职场结婚的减少也影响了未婚化


もうひとつ忘れてはならないのが職場での出会いによる恋愛結婚です。これは分類上恋愛結婚とされていますが、当時の職場結婚もまた社会的マッチングシステムのひとつでした。お見合いよりも自由度はあったと思いますが、出会いのきっかけとしてお膳立てされていたということは事実です。しかし、この職場での恋愛は今やセクハラ問題と表裏一体。職場結婚は今後も減少していくでしょう。
还有一个不能忘记的就是在职场中相遇从而恋爱结婚的情况。这在分类上算恋爱结婚,但是当时的职场结婚也是社会性协调机制的一种。职场结婚比起相亲还是有一定自由度的,以相遇为契机从而准备结婚这是事实。但是,这样的职场恋爱也和现在的性骚扰问题有着密切的联系。职场结婚今后也会不断减少吧。

お見合いと職場結婚とを合算して1960年代から現在に至る婚姻数の推移をみると、構成比は1960年代の7割から半分の31.9%にまで激減しています。当然全体婚姻数も減っていますので絶対数の減り幅は膨大 です。
把相亲结婚和职场结婚的数量加起来,看一下 1960年到现在的结婚数量推移,便可得知构成比从1960年的70%急剧减少到了一半为31.9%。当然由于全体结婚数量的减少,所以绝对数的减少幅度会非常大。

もっとも婚姻数が多かった1972年と2015年とを比較すると、お見合いと職場結婚を合算した婚姻数のマイナス分は約46万組となり、婚姻総数のマイナス分とほぼ同等です。つまり婚姻数の減少はこれら2つのきっかけの減少分だったと言えるのです。
把结婚数量最多的1972年与2015年做个比较可知,相亲结婚和职场结婚加起来的结婚数量减少约46万组,和结婚总数的减少量基本相等。也就是说结婚总数减少的部分就是这两种结婚数量减少的部分。



お見合い結婚から恋愛結婚へと移行したことで明らかに変化したことがもうひとつあります。それは離婚の増加です。
从相亲结婚到恋爱结婚的数据推移,发生明显变化的还有一点,那就是离婚的增加。

もともと江戸時代から明治の初期にかけては、日本は離婚大国でした。当時、離婚の減少に寄与したのもまた明治民法です。この民法によって、家制度型の婚姻や家父長制度が世間に浸透しはじめ、その頃から日本の離婚率は急激に減少しました。
原本,从江户时代到明治初期,日本曾是离婚大国。当时为减少离婚做出贡献的还是明治民法。由于这个民法的颁布,家族制度型的婚姻和家父长制度才渗透于民间,从那个时候开始,日本的离婚率急剧减少。

一時1938年には人口1000人あたりの離婚率0.63という世界でも最も離婚しない国になりました。それがグラフを見てわかるとおり、一転1960年代以降の恋愛結婚の比率の上昇カーブとリンクするように離婚率が上昇しています。
1938年每千人的离婚率为0.63,一时成为了世界上离婚率最低的国家。正如图中显示的那样,1960年以后的恋爱结婚比率突然上升的同时离婚率也在上升。



恋愛結婚の夫婦のほうが離婚しやすい
恋爱结婚的夫妇更容易离婚


もちろん「恋愛結婚が増えると離婚が増える」という因果関係までは断定できませんが、お見合いで結婚した夫婦より恋愛結婚の夫婦のほうが離婚しやすいというのは興味深いデータです。
当然,我们不能断定“恋爱结婚率的增加会导致离婚率增加”有这样的因果关系,但比起相亲结婚的夫妇,恋爱结婚的夫妇更容易离婚,这是一个很有趣的数据。



このように、明治民法を起点とした「結婚保護政策」は、結果として婚姻数や出生数の増加に加え、離婚の減少をも生みだしたと言っていいと思います。自己選択権のないお見合いや妻を家に縛り付ける家制度、家族のために粉骨砕身働くことが父親・男としての責務という社会規範など、個人レベルで考えるならば不自由な制約が多かったのかもしれませんが、こと結婚の促進に関しては奏功したと言えるでしょう。
如此一来,可以说以明治民法为起点的“结婚保护政策”的实施,增加了结婚数量和出生数量,减少了离婚数量。没有自己选择权的相亲和妻子被束缚在家的家族制度,为了家族而拼命工作是父亲・男性的责任这样的社会规范等,从个人角度来说可能会有很多不自由的约束,但这对整体促进结婚率来说是有效的。


「吾人は自由を欲して自由を得た。自由を得た結果、不自由を感じて困っている」とは夏目漱石の言葉です。現代、恋愛や結婚に対して社会的な制約は何もない自由であるにもかかわらず未婚化が進むのは、むしろ自由であるがゆえの不自由さを感じているからではないでしょうか。
“我们想要自由才得到了自由。得到自由之后,又会因感到不自由而困惑”。这是夏目漱石的名言。尽管在现代对于恋爱和结婚没有任何的社会制约,是自由的,但未婚化的进一步发展,倒不如说是因为有了自由才感受到了其不自由吧。



ただ、だからといって国家による結婚保護政策に戻すことは非現実的です。皆婚時代を否定はしませんが、冷静に考えれば国民全員が結婚していた状態こそ異常だと考えます。非婚の選択も生涯無子の選択も尊重されるべきですし、一方で結婚したいけどできないという人たちのサポートも必要です。とはいえ、恋愛強者は男女とも3割しかいません。かつてのお見合いや職場縁に代わる新しい出会いのお膳立て の仕組みが必須なのかもしれません。

只是,虽说如此国家再回到采取结婚保护政策的时代是非现实的。这并不是否认全员结婚的时代,冷静考虑地话就会知道国民全员结婚的状态是异常的。一方面我们应该尊重那些不结婚以及不要孩子的人们,另一方面还需要支持那些想要结婚却没能结婚的人们。然而,恋爱强者的男女比率只有30%。代替曾经的相亲和职场姻缘,可能必须要准备新的提供邂逅的方案了。


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